彼女のいない飛行機＠読中感想文

　本作にモーゼルL110という銃が出てくる。モーゼルというから弾倉が引き金の前にある「あれ」だと思って読み進んでいた。だが途中で「リボルバー」とある。「えっ？！」と思ってググってみる。リボルバー回転式拳銃、「あれ」は決してリボルバーではない。なるほどモーゼル社はリボルバーも作っている。日本の警察が使っている回転式拳銃ニューナンブを作っているメーカーが戦前には自動式拳銃を作っていたようなものだ（ちなみにその南部14年式が凄く好き61WCUCqVs6L._AC_SL1435_.jpg）。
　だがモーゼルL110というのが、どうしても出てこない。アルファベット入力で検索してもモーゼル社のホームページを見ても無い。これは筆者の罠ではないだろうか？本作に登場する私立探偵（主人公ではない）は18年間、本作における謎に取り組んだがことごとく不発・行き止まりだ。この感覚を読者にも体感させる為の仕掛けなのでは？

　シトロエン・Hトラック。これも特に気にせず読んでいたが、後半に思わせぶりに説明文があるから気になった。「大きな犬を思わせた」？ググってみる。
　これは難なく出てきた、検索結果を見ると「ああ、これか」という車だ。おそらく原宿から表参道に至る界隈に動かなくなった「これ」がありクレープ屋か何かになっているだろう。