昔ながらの納豆屋さん

　小さなしあわせ感ふたつ。
　いただいた寒中見舞いに返信している最中、水性ボールペンのインクが切れた。何本ものボールペンを平行して使っているし、ペン先がインクで固まって書けなくなることもままあるので、こうして完全に使い切るというのは2年に1度あるかないかの瞬間だ。
　夜ごはんの副菜で納豆を食べることが多い。過日安売りスーパーで買った納豆は大粒で、ふっくらと炊いた煮豆の食感だった。これがめちゃ美味しい。高級スーパーにしかない鎌倉山納豆も、タレとカラシが付いていないようなプライベートブランドの納豆も買うのだが、味はと言うと値段にあまり関係ない気がする。この「昔ながらの納豆屋さん」（株式会社オーサト製）は納豆菌臭さが極めて少なくて、おかずではなくおやつでも食べられる味わいだった。
　今日は終日恨めしいような雨だった。
　寒中見舞いを一枚書いて掛け時計を見たら午後2時過ぎ。まず郵便局に立ち寄って投函し、図書館へ本を返却しに行こう。自転車で行きたかったが、雨なので徒歩で行く。iPhoneを持って歩数を測ってみるか。
　図書館のカウンターで『熱源』ともう一冊の本を返した。その際、係の女性に「この本ね、私が借りて読み始めた翌日、直木賞をとったんだよ」と自慢げに話した。まるで小学生が母親に100点満点の答案用紙を見せびらかすような稚気であり驕稚でもある。カウンターの係員に「よかったわね、坊や」とでも返してもらいたかったのか（笑）。事実、私より年上の女性は「それはそれは慧眼ですね！」と言ってくれた。
　図書館で島根県の歴史書や硬めのガイドブックをメモりながら読んだ。あと雑誌を数冊ほど立ち読みし、館内で1時間ほど滞在。狭い閲覧室なのに複数の人が咳き込んだり鼻を啜ったりで、風邪をうつされるのが怖くなって早々に出た。もう少しいたかったな。
　図書館の往復は4342歩だった。普段、散歩や買い物の際、iPhoneは持ったり持たなかったり。今日も散歩には携帯しなかった。たぶん今日一日の歩数は6千歩くらいだろうか。