mixiユーザー(id:4795751)

2019年08月26日20:17

137 view

「アンダー・ユア・ベッド」@テアトル新宿 トークショー付き

これは内容的にヘビーだぞと、予告を何度か目にして覚悟はしていたが、やっぱりかなり強烈でぐったり。黒沢清監督×安里麻里監督(この映画の監督)の上映後トークショー付きの回だったが、仕事終わりのレイトショーだったこともあってか、なんだか上の空でもったいないことをしてしまったがまん顔

************** 重要部分ネタバレなし **************

ある日、11年前の大学時代に、たった一度だけ名前で呼ばれたことを鮮烈に思い出した男、三井直人(高良健吾)。相手の佐々木千尋(西川可奈子)と喫茶店でマンデリンのコーヒーを飲み、飼育しているグッピーを分けてあげると約束をした時が、三井にとって人生で唯一の幸せな瞬間だった。"もう一度名前を呼ばれたい"という欲望に囚われた三井は、千尋の現在の住所を調べ上げ、近所に熱帯魚店を開業する。やがて千尋が店に現われるも、当然のごとく三井のことは覚えていない。三井は千尋の家の合鍵を無断で作ると、留守宅に侵入し、寝室に盗聴器を仕掛けて、すでに結婚している彼女の生活を監視し始める。すると、千尋が夫(安部賢一)から激しいDVを受けていることを知るが…。

三井のやってることは完全に犯罪行為で、紛れもないド変態exclamation ×2千尋の自宅の合鍵を勝手に作って侵入、店の2階から望遠鏡での監視とカメラでガンガン盗撮、がっつり盗聴器を仕掛けての盗聴。11年も前に一瞬の幸せを与えてくれただけの相手にここまでできるかexclamation & questionと驚愕したし、この暴走っぷりはひたすら恐怖。だけど、高良くんにやられちゃうと、ねぇ。。

三井はクラスメイトと仲良く話したり、つるんで遊んだりするタイプではなく、名前すら憶えられていないような地味な大学生。そんな彼がたった一度だけ名前を呼んでくれて一緒にお茶コーヒーをした同級生の千尋をふと思い出し、探し出して執着していくという設定。だけどさぁ、高良くんくらい整った美しい顔なら、いくら地味でも絶対女の子は放っておかないし、目に留まるはずexclamationとそこがちょっと引っ掛かった。

いきなり細かい部分にケチをつけたがあせあせ(飛び散る汗)、そんなこともぶっ飛ばすほどの緊迫感と息を抜けない展開。三井はセリフが少なくてモノローグが多いが、高良くんは表情や目の演技で心情を繊細に演じていてさすがだったぴかぴか(新しい)痛々しいまでの孤独な男の暴走と妄想に目が離せなかった。

対するヒロインの千尋。大学時代の明るく可愛らしい印象から一変、まるで魂の抜けたようにただ日々を過ごしている現在との演じ分けも巧みで、西川さんの顔と名前をしかと覚えたexclamation ×2夫のDVから強制の性行為などで全裸シーンもバンバンあるし、殴られ蹴られぶっ飛ばされたり。相当肉体的にも精神的にもきつかったと思うが、これこそ体当たりの大熱演exclamation ×2がっつり胸とかガードしたベッドシーンで体当たりとか言うなむかっ(怒り)ってねあっかんべー

とにかくDVの場面がえげつない。目を背けたくなるような徹底した描写に戦慄するげっそりここまでリアルに痛みを感じるような演出や撮り方をしているのも、何気にめずらしい気がする。DVを行う男性という性の恐ろしさをまざまざと見せつけられた。(女でもDVする人はいるだろうけど。)

DV夫役の安部賢一さんも凄まじかったexclamation容赦のない暴力シーンの数々がそれはそれは怖くて息をのんだ。世の中、本当にこんなひどい人がいるんだろうか、とものすごくどんよりしてしまった。あくまでフィクション、この映画の中だけであってほしいと心から願ってしまうほど。

お薦めはめちゃめちゃしづらいけど、すごいものを観たexclamation ×2という感覚は1ヶ月近くたった今もしっかり残っている強烈な作品。コンプラや規制にうるさい昨今、攻めたものが観たい人はぜひウインク
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する