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2019年07月22日21:38

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「新聞記者」@ユーロスペース

「デイアンドナイト」の藤井道人監督最新作ぴかぴか(新しい)これは絶対面白そうexclamationと楽しみにしていたので、公開1週目のユーロスペースのサービスデイ(毎週火曜1,200円)、さっそく会社帰りに行って来た手(チョキ)

************** 重要部分ネタバレなし **************

日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育った東都新聞社会部の若手記者・吉岡エリカ(シム・ウンギョン)は、記者会見でただ一人鋭い質問を繰り返し、官邸への遠慮が蔓延する記者クラブの中で厄介者扱いされるばかりか、社内でも異端視されていた。そんなある日、社会部に大学新設計画に関する極秘情報が記された匿名FAXが届き、吉岡は上司の陣野(北村有起哉)から調査を任される。やがて内閣府の神崎(高橋和也)という人物が浮上してくるが、その矢先、当の神崎が自殺してしまう。神崎の死に疑問を抱いた吉岡は、やがて同じようにかつての上司であった神崎の死に疑問を持つ内閣情報調査室(内調)の若手エリート、杉原拓海(松坂桃李)と巡り会うのだったが…。

政治とメディアの闇を描いた社会派サスペンスは日本映画ではめずらしい気がする。圧力があるのか、スポンサーが付かないのか、そもそも企画すら通らないのか等々、これを観終わった後には色々な考えがよぎった。

マスコミは本来、権力の監視役として機能することが大きな意義だが、現状はその力が非常に弱まっているのではexclamation & questionと疑いたくなる。タレントの不倫とか、アイドルをつけ回して恋愛を暴くとかどうでもいいからっexclamation ×2もっと他に報道すべきことがあるでしょ衝撃とアホな私ですら思っている。

現役新聞記者である望月衣塑子さんの同名ベストセラーが原案なので、フィクションだけれど、ある程度はリアリティがあるのかなと思う。内調のエリート官僚たちが現政権に対する不都合なニュースをコントロールするため、暗い部屋でネットを駆使して情報操作するシーンが空恐ろしい。その高い能力をこんなことに使ってるのが現実ならば、あまりにも切なすぎるし絶望すら覚えた。

吉岡は同じく記者であった父の教え"誰よりも自分を信じ疑え"が常に心にあり、強い信念と新聞記者としてのプライド、人間にとって大事な矜持がある人物。そんな吉岡をシムさんが好演。とある号泣シーンは凄まじかったし、説得力のある芝居で終始魅せてくれたハート10月公開の夏帆ちゃん主演「ブルーアワーにぶっ飛ばす」にも出演するので、また楽しみが増えたるんるん

杉原は内調のエリート官僚で、仕事に対する疑問がありつつも正義にも悪にもなりきれない。そんな揺れのある人物。シムさんに負けず、松坂くんも繊細な演技で惹き込まれた指でOK妻もいて子供が生まれたばかり。そんな中、上からの脅し混じりの命令。自分だったらそれを拒否できるのか…。

出演はメイン2人の他に、本田翼 岡山天音 郭智博 長田成哉 宮野陽名 高橋努 西田尚美 高橋和也 北村有起哉 田中哲司といった方々。吉岡の上司役に北村さん、杉原の上司役に田中さん。この両名の演技も秀逸で、作品を一層盛り立てている。田中さんの怖さは天下一品exclamation ×2

この映画の中で起こっていることを鵜呑みにするのも違うが、与えられた情報が真実なのかを疑うことは大切だと感じた。SNSなど含め溢れかえる情報をどう取捨選択するか。自分にその能力があるのか。そもそもその情報がすでに統制された偏ったものならどうしようもないとか、色々考えてぐるぐる。上手くまとめられないが、観る価値のある力作であることは間違いないexclamation ×2
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