「あおいさんは16歳年下」コミック

『あおいさんは16歳年下』
＜ストーリー＞
　アラサーのパン屋の夏海はいつも店に来るあこがれの女性に告白するが、その日彼女はランドセルを背負っていた。なんと彼女は小学生だったのだ。あっけにとられる夏海に「ではまずはお手紙交換から」とあおいさんは微笑む・・・
＜コメント＞
　年の差ラブコメというのはテーマとしてよく描かれるけれども物語る上で一番難しいのは多分いかに生々しさを避けるかだと思う。この作品の場合うっかり告白したら小学生だった、という冒頭からいかに転がるのかと思ったら主人公と思われた夏海がすぐに自分の間違いに気づいてお手紙を貰った第４話で「小学生と思わなくて間違って告白してしまいました。ごめんなさい」と謝るのだ。
　するとあおいさんが「知ってますよ、でも私が恋するのはしたいからするんです！」とあっさりと自分の恋心も告白してしまうのだ。そして、後半はあおいさんが主役となって大人に恋する小学生の無邪気な日々が語られる。うん、これは巧い。
　２人が会うのはパン屋の店内だけでいわゆる生々しさが全くない。しかし、ちゃんとした大人である夏海に憧れるあおいと清楚な美人の外見と小学生の可愛らしさのギャップに戸惑いながらも彼女を可愛く思う夏海のそれぞれの心の機微が表情や仕草で描写されるのである。
　１巻で終わっているようだけれども、確かにこの話はこれ以上続けたら生々しくなってしまうかもしれないので丁度良い佳作として完結しているかもしれない。

あおいさんは16歳年下 (リラクトコミックス　Ｈｕｇピクシブシリーズ)
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