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2019年01月27日20:47

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世界のブックデザイン2017-18

 昨日、寒風吹きすさぶなか、印刷博物館で開催中の「世界のブックデザイン2017-18」へ。「世界で最も美しい本コンクール」で入選した本が集められた展覧会だ。本を手に取ることができるのがいい。
 よほど重要な事柄ならともかく、固有名詞を記憶に刻むのが苦手になってきたので、備忘録。
 スイスで出版された『First things first』、邦訳すると「重要なことから先に」という意味だそうで、本のデザインよりこの英語のフレーズに感心してしまった。本末転倒。
『New Horizons』、Bruno van den Elshout撮影。海の彼方の水平線、牧場の果ての水平線、だだっ広い土地の向こうにある水平線。水平線だけをほぼ真ん中に投影しただけの写真が百枚以上あるだけの写真集。こんなのが高価本で出版できるのか、という驚き。
『SKUTER』、スイスの出版社から出た写真集で、スマトラ島でスクーターに乗っているひとが被写体、というだけの写真集。が、一人で乗っている青年、子どもを乗せたお父さんと覚しき中年男性、カラフルな衣装の女性と、水平線と違って面白くページを繰った。しかし、水平線と同様、これがなんで本にしてもらえるのだろうかといぶかしく思った。
『虫子书(「書」の中国語漢字)』、著者というより制作者は朱赢椿という中国人。この本は昨年に見た虫の歩く軌跡をそのままに載せた(昆虫の足裏にインクをつけて這わせる)本の続編か? なんかマニアックで愉快な発想者だ。帰宅後調べたら、虫を呼び込むために自ら畑を作って作物を育て、野菜に付く虫を捕獲して紙の上に放つ生活をしている、というインタビュー記事あり。本自体、紙質もデザインも秀逸で、参った。
『Hello Stone』、邦訳「石よ、ごきげんよう」。イランの絵本だ。アラビア文字は装飾的だ、とエキゾチズムを覚える。えっ、アラビア文字は横書きなのだが、なぜか日本の一般書と同様右開きであることを発見。でも、イラン人は違和感なく読めるのだろうな。
『茶典〜愛茶人的聖經』、陸羽他著。お茶を愛する古来中国の茶人による、茶道論。帰宅後、調べてみたら、結構中国の書籍サイトに取り上げられていて、なんとなく詳細もわかった。この本が今回の展覧会でもっとも美しいデザインだと思った。印刷技術が半端なくあるし、紙質が内容にベストマッチしていた。中国人の贅沢感を象徴した本だ。
●陸羽(733—804),字鴻漸,復州竟陵(今湖北天門)人,號竟陵子、桑苧翁,又號「茶山御史」,唐代著名的茶學家,被譽為「茶仙」,尊為「茶聖」,祀為「茶神」。
●蔡襄(1012−1067),字君謨,漢族,北宋著名書法家、政治家、茶學家。
●黃儒(生卒年月不詳),字道輔,北宋建安(今福建甌縣)人。
                        (著者の一部)
『Zoals het is: het leven van professor Schwartz』(ありのまま ヨアヒム・シュワルツ教授の人生)。オランダ語の絵本で、日本のAmazonで調べたら売っていた、2057円。本の裏表紙に16ユーロとあったので、Amazonは割とぼらずに売っている。中身は丁寧なペン画の「おとなの絵本」。子どもを想定していない絵本というのは、日本ではありそうでない。買うかな。本のそばに置かれた解説ボードを読むと、著者Floris Tilanusが「こんな本を出したい」とネットでクラウドファンディングをして資金集めをし、わずか5日で目標額を超えたとのこと。世間、というか世界はまだまだ捨てたもんじゃない。永遠に捨てたものじゃないだろう。
https://www.amazon.co.jp/Zoals-het-leven-professor-Schwartz/dp/9028270728/ref=sr_1_1?s=english-books&ie=UTF8&qid=1548588835&sr=1-1&keywords=Zoals+het+is+Het+leven
 この他にもたくさんメモを取ったのだが、自分の中でこれくらいを記憶に留めておけば十分だ。
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