私が子供の頃(1960年代半ば)の梅田です。
電車に乗って梅田の駅に近づくと、
ヤンマーと全日空の建物が迎えてくれます。
電車から降りて、百貨店に向かいます。
百貨店と駅との間は、動く歩道を使わなくても、
子供の足でも疲れないくらい近かった。
いえ、動く歩道そのものがありませんでした。
梅田で目立つ建物は、百貨店くらいでした。
建物の上には、突き抜ける空が広がっていました。
トロリーバス
(道路上を走る、線路のない電車のような、
電線の下を走るバスのような存在)が走っていました。
そういえば、巨大な歩道橋も、存在しませんでした。
大人の私は久しぶりに、梅田の繁華街に行きます。
目的地は、百貨店です。
地下鉄の梅田駅から地上に上がって、
出口を間違えたのに気づきます。
百貨店の姿は見えるけれど、かなり向こう側です。
今は百貨店も、高いビル群に取り囲まれてしまって、
絵本の『ちいさいおうち』の家みたいです。
『ちいさいおうち』の家は引っ越していきました。
田舎の丘の上に移築されたのです。
百貨店の建物は、田舎に引っ越すことはできないでしょう。
せめて、トロリーバスの走る時代に戻してあげましょう。
記憶の中の。
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