遠くで、目覚まし代わりの携帯端末が鳴っています。
布団から出て、端末を拾います。
端末を枕元に置いておくと、
布団の中で、端末をいじってしまうから、
わざわざ遠くに置いてあるのです。
それなのに。
冬に向かって、朝の室温が低くなると、
そのまま端末ごと、布団に戻りたくなります。
ここが、踏ん張りどころです。
一気に、カーテンを開けてしまえばいいのです。
朝の光を浴びるのです。
それだけで、しゃきんと目が覚めます。
分かっちゃいるけど。
手がカーテンにではなく、テレビのリモコンに伸びます。
カーテンを閉めたままの薄暗い部屋で、
テレビに見入ってしまいます。
いや、テレビを見ているのは、布団の外からです。
布団の中で端末をいじりながら、再び眠り込んでしまうよりは
まし……なんて、言い訳するくらいなら、
ほら、カーテンを開けなきゃ。
あれ? 遠くで端末が鳴っている。
ということは、これは夢か。
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