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2018年10月10日20:47

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「泣き虫しょったんの奇跡」@ユーロスペース

豊田利晃監督最新作が松田龍平主演ぴかぴか(新しい)ってだけでも胸躍るが、監督自身も9歳から17歳まで奨励会に在籍していたそうで、これは期待大exclamation ×2と楽しみでるんるん

中学生でプロ棋士になった谷川浩司棋士のニュースに触れて、プロ棋士を意識するようになった小学5年生の"しょったん"こと瀬川晶司(松田龍平)。隣に住む将棋好きの鈴木悠野(野田洋次郎)と切磋琢磨し、メキメキと実力をつけていく。そして中学3年生のとき、ついにプロ棋士への登竜門となる奨励会に入会する。しかしその奨励会には、26歳までにプロになれなかった者は退会しなければならない、という年齢制限に関する厳しいルールが存在した。やがてしょったんも、その厚い壁を打ち破ることができずに退会を余儀なくされ、会社員として新たな人生を歩み始めるのだったが…。

一度は26歳の壁に阻まれ、プロの道を絶たれた主人公が、35歳にして将棋界の歴史を変える偉業を成し遂げ、見事プロ棋士になった実話を映画化したこの作品。現役である瀬川晶司五段のお話で、原作本もご本人が出されている。

ここ数年、藤井聡太くんのブームもあってか将棋人気が高まっているみたいだが、映画界も将棋を題材にした良作が続いている。2016年の松山ケンイチ主演「聖の青春」、2017年の神木隆之介主演「3月のライオン」、そして今年はこの映画。

しょったんは夢破れた後、一度は会社員となるが、アマチュア大会で名を馳せた幼馴染の鈴木に触発され、再び将棋が好きだという純粋な気持ちを取り戻し、めきめき頭角を現していき、ついにアマ名人になる。そんな彼の強さと将棋への情熱によって周りが動いて、特例でプロ編入試験が行われ、奨励会退会からプロへという道を初めて切り開いた。これがもちろん奇跡なのだが、彼の人との出会いの方がもっと奇跡かもしれないと思った。

とにかく、しょったんの周りの人たちがいい人だらけ。両親と兄、小学校の女先生、将棋道場の人々、奨励会での先輩後輩ライバル、会社の上司や同僚。そして、プロへの後押しをしてくれたアマチュアの有力者や新聞記者。本当に人に恵まれてたと思う。ちょっと出来すぎなくらいと言いたくなるが、実話だというのだから、そうなんでしょう。しょったん自身が人の良い面だけを見られる人柄なのかもしれない。そういう人柄がまた、良い人物を引き寄せたのかもしれない。

出演陣の顔ぶれがすごいのも見どころのひとつわーい(嬉しい顔)松田&野田以外に、永山絢斗、染谷将太、渋川清彦、駒木根隆介、新井浩文、早乙女太一、妻夫木聡、上白石萌音、石橋静河、板尾創路、藤原竜也、大西信満、奥野瑛太、遠藤雄弥、山本亨、桂三度、三浦誠己、渡辺哲、松たか子、美保純、イッセー尾形、小林薫、國村隼。

将棋をさしたこともないし、ルールもうろ覚えでも全く問題なしexclamationあらゆることを犠牲にしてもプロになれるかはわからない厳しい世界。身を削るような緊迫した静かな戦いは迫力があり、こちらまでキリキリする思い。夢破れ去っていく者に涙、夢を掴んだものにもまた涙。ぜひ、しょったんの奇跡をご覧あれウインク
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