わたしに似た人

小さい頃から、何がどうだか分からないが、普通とは違うと思っていた。
勉強はできるけど日常生活がポンコツみたいな感じだったり、学校で喋れないことだったり、友達と交わらないことだったり。
とりあえず、群れ本能はどこかに置いてきているらしい。友達の作り方は昔も今も分からない。もともとその機能が入ってないようだ。
小さい頃は「ひとりで寂しい」という感覚が分からなかった。テレビで見て、こういうときは寂しがるんだなとか、夕暮れの寂しげな雰囲気とか、ムードとしては知っていたが、自分の実感としては分からなかった。

「場面緘黙」という言葉は昔からある概念で、高校生くらいから知っていた。まあそんな感じなんだけど、「そこまでじゃない」というのと、それだけが問題じゃないんだなーと思ったり。

「アダルトチルドレン」が流行った時にも調べたけど、うちの親は別にそんな感じではないなーと思ったり。

2000年前後に「アスペルガー」という言葉が出てきて、うーん似てるかな？と思ったりもしたが、友達付き合いの件はそうかなと思ったが、他のことはあまり当てはまらない。こだわりもないし、空気めっちゃ読むし、冗談を真に受けたりしないし。

あと、ADHDとか軽度知的障害とか愛着障害とかボーダーラインとか、いろいろ探した。
どれもピッタリしないが、ではただの普通の人かといえばそうは思えない。

今は、仲間を探すのはやめた。
無理やり当てはめて何かの診断をつけると、人がせっかく一生懸命考えた「思い」を、「症状」みたいに扱われるのだろう。それも癪にさわる。
わたしはわたしだよ。それでいいよ。

それにしても、「普通じゃない」と思っている人は思ったよりたくさん世の中にいることが分かった。フランケンシュタインの怪物みたいに、わたしだけが変なのだと思っていた。そういう意味では、わたしみたいな人はたくさんいるということなのかな。
もしかしたら、「自分は普通だ」と言っている人のほうが少数派で変なのかも？…それはないか。