夜の終着駅が好きです。
ドアから乗客が吐き出されて、
ほとんど誰もいなくなった車内に、
取り残された人の姿が目を引きます。
男の人2人が座ったままで眠っています。
お互いの頭をくっつけ合っています。
終着駅に着いたのにも気づかず、
眠りこけています。
仲良しでしょうか。
いえ、たまたま隣に乗り合わせただけでしょう。
ドアの近くには、立ったまま眠っている人もいます。
「お客さん、終点ですよ」って、揺り起こしたら、
そのまま崩れてしまうんじゃないでしょうか。
見事なバランスで、立ち眠りしています。
終着駅の車内で眠っている人は、
ここではない、どこか遠くに行っている夢を
見ているのかもしれません。
気づいたら、知らない駅のホームにいる夢を。
終電の居眠りは、見ていて心配です。
このあと、この人は帰る手段があるのだろうか。
終着駅の居眠りは、
寝過ごしても、せいぜい車庫に入るだけなので、
こうして見ているほうも気が楽です。
(だからといって、車庫まで行っちゃったら、だめですよ)
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