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2018年05月29日21:38

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アキハバラでホッピーパーティー!

スペインはガリシア人のエドゥアルドと2年ぶりに再会した。
エドとどうして知り合って、どんな付き合いをしてきたかについては、過去ここに何度か書いてきたけれど、ざっくり説明すると、英国の大学に籍をおいていた彼が半年間私の勤め先に研修に来ている時に知り合い、たちまちサッカーバカの輪が広がって、彼がヨーロッパに戻った後も、来日の度に我がチームメイトやその友達が芋づる式に集まっては飲んで、お互いの応援するチームのダメっぷりを嘆きあう、という関係が続いている。
私は英会話がてんで覚束ないけれど、サッカーという共通言語とお酒の力があれば勇気百倍、そもそもサッカーにまつわる与太話しかしないので、そういうことはあまり関係がないらしい。

さて、去年パリにある世界屈指の鉄道車両メーカーに職を得たエドゥアルドから、5月に日本に行くから都内で一緒にホッピーを飲まないか?とメールが入ったのがまだ寒い頃。
英国の大学の同期で偶然パリでも近くに住んでいる仲良しのイタリア人が、宇宙開発関係の仕事で一年間日本に行く予定なので、よければ彼も一緒に、ちなみに彼はローマのサポーターでトッティのファンだという。

そいつは大歓迎!
・・・しかし、待てよ。
イタリアといえば、今回のW杯予選でスペインと同じ組に入って突破ならず、プレーオフに廻った先でスウェーデンに敗れたために、まさかまさか、60年ぶりに出場を逃して世界中から憐れみの視線(と失笑)を浴びたばかりだ。
この話題は、慎重に避けねばなるまいな。
しかし。
我々だって、ロシアに行くぜ、うひょひょひょひょと盛り上がっていたら、どういうわけか突然代表監督のクビが飛び、ほとんどぶっつけ本番でW杯に挑むハメになってしまったのだよ。

一方でアコルーニャ出身のエドゥアルドも悲劇の只中にある。
リガ・エスパニョーラのことがわかる方は、以下エドからのメール文をお読みください。
あまりの悲劇に、笑えます。
特に最後の一文が、涙を誘ってやみません。
Very sad season. We are 9 points away from Levante and only 4 matches left (against Barcelona, Celta de Vigo, Villarreal and Valencia) So I think we are already in second deivision. The problem is that it could happen than Celta de Vigo send us mathematically to second division!!!

(幸いというか、実際にデポルティボ・ラコルーニャを地獄の穴に蹴り落としたのは、隣人にして恨み骨髄の宿敵セルタでなく、その試合で歓喜の優勝を決めた王者バルセロナであったことは、想定より1試合早かったにしても、彼らの心をいくらかは慰めることになったであろうと想像する。)

だがこのわたくしも、人様のことを嗤ってはいられない。
昨年、(個人的には)念願の監督更迭を果たし、アジア王者となったはいいが、暫定監督をそのまま留任させて新シーズンを向かえ、案の定、連敗引き分けまた連敗、たまらず恩ある監督を解雇し、アウトレイジなコーチに指揮を取らせて、続く5試合を望外の負け無しで凌いだと思ったら、よりによって長年のライバルチームでJリーグ3連覇の実績のあるブラジル人を監督に迎え(「鹿のお下がり」と云えば、わかる人にはわかってもらえると思うが)、現在、周回遅れで第2コーナーを廻ったところだ。
もはや優勝は数字の上でもたぶん無理、来期のアジア・チャンピオンズリーグ出場に、かそけき望みをつなぐというていたらくなのだもの。


こんな悲劇の一行を、おかえりなさいませご主人さまと、かりそめの優しさで迎えてくれる街といったら、アキハバラくらいしか思いつかないではないか。
というわけで集合場所は、秋葉原は昭和通り口前ヨドバシカメラ3階の、スポーツ用品売り場と決まった。
昨年わずかひと月で新語としての寿命を終えた、プレミアムフライデーの晩だった。

我が相棒は、いつのまにかワイシャツの上から、我々が友達となるきっかけになったデポルティボ・ラコルーニャのシャツを身につけており、再会するなりエドと悲劇のバルセロナ戦についてひとしきり感想を語り合ったあと、「というわけでリーガの話はここで終わり、これからはこっちだ」とデポルのシャツをペロリと脱ぐと、その下に着ていたのは日本代表ユニフォーム。
推定メイド・イン・バングラデシュ1500円にしてはなかなか出来のいいシャツなのだが、W杯を逃した初対面のイタリア人アンドレアに向かって、ところでイタリアはどこと当たるんだっけ?といきなりキツい一発をお見舞いすることで、大胆にもキックオフのホイッスルを吹いた。


4年前の元旦以来、我々の飲み会は「Hoppy Party」と称している。
ホッピーとは何か?と外国人に問われると、貧乏人のイミテーションビアだと答えることにしているが、私自身はよく知らない。
大五郎みたいな安っすい甲類焼酎に、「ホッピー」という何だかよくわからない色つき発泡水を足してぐるぐる混ぜた飲み物で、本社はなぜか赤坂にあるらしい。
この不可解な飲み物が気に入ってしまったエド、チームメイトのKは、かつてどこから手に入れたかホッピーのロゴ入りキャップをエドに進呈しており、ノリのいいエドは、この日もそのキャップをかぶって秋葉原にやってきた。
そしてKは、またしてもどうやって探したものか、ホッピーのロゴを染め抜いた前掛け(!!)を手に入れてきた。
エド。ホッピーの前掛けがこんなに似合う男は、日本人にもいないぜ!

ここで、エドのどういう知り合いだったか酔っ払っちまってもう忘れてしまったが、チコというアリカンテ出身のスペイン人と、残業を終えたもう一人のチームメイトも合流して、さらにホッピーの壜がテーブルを埋めつくしていった。
チコは17日間だかのバケーションを日本で過ごし、週明けに帰るという。
ケヴィン・スペイシーとアレッサンドロ・デルピエロを足して2で割ったような風貌のチコだが、見ようによっては、その前日に来日し、Jリーグに電撃的に移籍したバルセロナの至宝イニエスタに似ていなくもない。
おかげでチコは、方々でイニエスタ?イニエスタ?と間違われ、本人も調子に乗って、大勢の人と記念写真を撮りまくったという愉快な男だった。

こうして我々は、怪しい英語を繰り出しながら、スペインやイタリアのリーグをネタに、深夜まで盛り上がった。
アンドレアもチコも、君たちはどうして10年20年前のヨーロッパの試合や選手のことをそんなによく知ってるんだとあきれるが、それだけ我々はおタク体質だってことなのだろう。
そして当然のことながら、30分に一度はアンドレアにW杯の話を振って、アウェイの洗礼を浴びせることは忘れなかった。

アンドレアは6月から調布で仕事を始める予定で、今は吉祥寺に民泊している。
エドのリコメンドで、アパートも吉祥寺で探すつもりだそうだ。
(なぜか彼の職場は、彼に住宅の世話はしないらしい。週末に、目をつけておいた物件2つを見に行くが、どうやらオーナーが外国人には貸したがらないらしくてね、と言うので、交渉の際には「はやぶさ」の名前を大いにアピールすべし、恐らくオーナーが嫌がっているのは非西洋人だけであろうから、とは言っておいた。さてどうなるかな。)

アンドレアの生活が落ち着いたら、Jリーグや、我々のチームの試合にも誘ってみるか。
けど可哀想だから、W杯の期間中はそっとしておいてやろう。
W杯の切符を逃すなんて、まったく、哀れなことだ。
ぷぷぷぷ。



※追記
アンドレアは2022年現在、まだ日本に滞在している。
某宇宙開発関連事業者とパーマネント契約を結んだため、放っておくとずっと日本で暮らすことになりそうだ。
そして数日前、また彼を悲劇が襲った。
イタリアが、なんと2大会連続でW杯出場を逃したらしい。
つい昨年、ヨーロッパ選手権を制覇したばかりだというのに。
今度アンドレアに会う日が愉しみでならない。



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