2012年の初演も観ていて、今回再演すると知り、めちゃくちゃ楽しみにしていたこの舞台。バッチリ早々にチケットを取って、5列目ど真ん中位の良席で鑑賞
先代から因縁のあるにれの木を囲んで建つ館に住むベイカー一族の盛衰を、その家の長女ティルダと転校生のコナ、二人の女性を軸に描いた物語。友情で結ばれた二人の10代から70代半ばまでの長い期間の中の「日常の数十分」を切り取り、時代を行ったり来たりしながら、女性同士の心理を繊細に紡ぎ出し、同時に家族のあれこれを描いている。二人の女性がそれぞれの人生を送りながら、人生の局面で再会する。二人の間にある秘密、そして二人を取り巻く秘密の深淵がシリアスにシニカルに描かれる。
作・演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演 犬山イヌコ 峯村リエ みのすけ 大倉孝二 松永玲子 村岡希美 長田奈麻 廣川三憲
安澤千草 藤田秀世 猪俣三四郎 菊池明明 小園茉奈 木乃江祐希 伊与勢我無
萩原聖人 泉澤祐希 伊藤梨沙子 山西惇
やっぱりケラさんのお芝居好きだわぁ
、この「百年の秘密」は本当に傑作っ
と改めて感激した。休憩15分を含め約3時間半。ちっとも長いとは感じなかったし、むしろもっと観ていたいとさえ思った。
友達関係、親子関係、夫婦関係、兄妹関係、様々な立場や境遇での人間関係が描かれているので、観る人を選ばない普遍性や間口の広さもあると思う。ケラさんの本
の秀逸さはもちろん、役者陣の個々の力量も文句のつけようがないクオリティの高さだった
冒頭、メイド役の長田さんのナレーションで始まるが、これがものすごく心地よくて素晴らしいの一言
彼女がガイドをしてくれるので、時系列が行ったり来たりしてもわかりやすい。こういう細やかな作りがさすがだなと思う。そして、お得意のプロジェクションマッピングでの見せ方も相変わらず格好よくて、ワクワク感が増した
この作品はケラさん自身が初演の頃から"再演したい"と熱望していたそう。観客としては、二度も観られて嬉しい限りだが、歳を重ねるにつれまた違った感想を持ちそうなので、ぜひぜひ今後も代表作として、再演し続けて、後世に語り継いでほしい
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