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2018年03月13日22:42

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迷宮入り事件を解く鍵【平成の神隠し、30年目】

 このシリーズでは専ら失踪事件を多めに採りあげて来た。それは偏に生存していれば、望みがあるからだ。

 とはいうものの、この事件の不可思議さは群を抜いている・・・。

 今から30年前の平成元年3月7日、徳島県貞光町(今のつるぎ町)・親類宅にやって来た、松岡伸矢君(当時4歳)が親のちょっと目を離したわずか40秒の間に姿を消した、という平成の神隠し、と噂までされた事件である。被害者がまだ4歳であることで、徳島警察(以下、県警とします)も誘拐の線で調べたものの、身代金の請求も無ければ、伸矢君の遺留品も見つかっていない・・・県警も頭を抱えている難事件のひとつである。

 「ああ、あの事件か」

 とピンと来た方は多数いらっしゃると思う。

 とはいえ、流石に30年も経つので、事件の詳細な説明が必要だろう。

■事件概要■

 伸矢君の家族構成は、父・正伸さん、母・圭子さん、彼の姉と弟、そして伸矢君の5人だった。正伸さんは、とある日本企業のソフトウエア会社だったが、茨城県・牛久市で平成元年の初頭に新築一戸建ての家を購入、外資系に転職した。

 3月5日、圭子さんの母親が急死し、6日に徳島県・小松島市にある斎場で一家は葬儀に参列しに出掛けた。参列後、圭子さんの貞光町にある親類宅に一泊した。

 翌朝8時、正伸さんは朝食までまだ時間もあったので、伸矢君を含む3人の子どもと従兄妹、4人と散歩しに出掛けた。子どもたちははしゃぎながら、正伸さんに付いていったという。

 件の親類宅は標高約200m、林道の終点近くに位置し、その斜面近くに家があった。それゆえ、民家が見えないほど過疎地でもないものの、周囲には接するほど近い民家は殆ど無い。

 そろそろ朝食時間に近くなった頃、散歩を切りあげて、家に戻ろうとした。家の玄関までは10メートルほどの石段がある。父・正伸さんによれば、伸矢君はもっと散歩したそうな顔だったというが、次男を抱えていたので、まず奥さんの圭子さんに次男を引き渡し、玄関先にいるはずの伸矢君を連れて来ようと思って外に出た。

 しかし・・・もう彼の姿は無かった。

 この間、たった40秒でしかない。

 正伸さんは近くを捜したが、伸矢君の姿は無かった。その後、近所の人、消防団にも応援を依頼し、捜したが、見つからず、午前10時、警察に通報した。翌日は百人以上で捜索を試みたが、手掛かりになるものすら見つからなかった。ちなみに被害者の伸矢君は4歳児とは思えないほどしっかりしていて、住所氏名、電話番号、家族全員の名、全て言えたという。

以後、30年間ずっと消息不明というのがこの事件である。

■実母の「死」は本当にただの「急死」なのか?■

 ニュースでは明らかにされなかった事実がある。

 圭子さんは新築一戸建てを買った訳で、実母に牛久にある家を見てもらいたくて電話をした。それが3月に入ってのことだったという。

 その30分後、何と圭子さんの母は亡くなった、と同居している親類から電話が掛かって来た。

 勿論医学的には色々と説明はつくのかもしれない。だが、娘夫婦が買った新築の家を遊びがてら見に行きたいと母親は言っていた。そのたった30分後に急死。その数日後に伸矢君が行方不明・・・。

 話が出来過ぎていると考えるのは私だけだろうか・・・。

 しかも当時の暦を調べたところ、次のようになった。

 ◆3月5日(日曜日):仏滅 圭子さんの母が急逝した日。この日にお通夜(推定)。
 
 ◆3月6日(月曜日):大安 圭子さんの母の葬儀に伸矢君一家は参列。

 ◆3月7日(火曜日):赤口 事件発生

 ◆3月8日(水曜日):友引

 何と、亡くなったその日にお通夜が慌ただしく営まれたとしか考えられないことが判明。勿論予約次第で、斎場関係者から「今日しか無いですよ。」と言われた可能性は否定できない。

しかしながら、この慌ただしさは疑えば、疑える。

■謎の電話は何を意味する?■

 事件時、約100m離れたところで農作業をしていた人がいたが、不審な車両は見掛けなかったという。更に親類宅周辺で交通事故のあった形跡はない。斎場で葬儀に参列した後に親類の家に泊まることも、圭子さんの実母の死の後に決まったことであり、外部に知れ渡った可能性も高くは無い。

 となると、突発的な身代金目的の誘拐事件か・・・と県警は考え、この親類宅の電話にテープレコーダーを取りつけた。正伸さん一行が手がかりなしかと落胆し、帰宅する前日の16日、一本の奇妙な電話が掛かって来たのである。

 正伸さんが電話の受話器を取ると、「奥さんはいますか?」という女性の声。それも、尻上がりの徳島弁のイントネーション。「誰だかわからないけど、徳島弁の訛りがあって、お前と話を従っている人がいるよ。」と云い、圭子さんが代わると、相手は

 「ナカハラ マリコの母です。成蹊幼稚園の月組の父兄です。幼稚園で見舞金を集めたのですが、どちらにお送りすればよろしいでしょうか?それとも帰宅されますか?」

 というものだった。成蹊幼稚園は確かに伸矢君の姉の通っている幼稚園である。圭子さんは明日、帰宅します、と伝えた。それっきりナカハラ マリコの母と名乗る女性から電話はない。

 茨城の牛久の家に帰宅後、不審に思い電話をしたかったが、流石に見舞金のことを言い出されたので、こちらから言う訳にはいかず、しかし、矢張り不信感は拭えず、熟慮の末、幼稚園に電話した。すると、以下の奇妙なことが分かった。

▼ナカハラ マリコという子どもは1人もいない。

▼見舞金の準備など特にしていない。

▼茨城にいながらにして、なぜ親類の電話番号を知っているのか

▼逆に徳島の人だったとしても(訛りは徳島弁だったと正伸さんが証言している)、伸矢君の通っている幼稚園を知っているのはなぜか

 ・・・松岡家の事情に精通していない限り、このような電話をすることは困難のはずだ。当時はまだ平成元年ということもあり、ナンバーディスプレイといったサービスはまだ無い。

■全国から寄せられた目撃証言とマスコミも■

 父・正伸さんは愛する我が息子の情報収集に専念するため、折角の会社を辞め、自営業に転じた。50回にも及ぶテレビ出演も惜しまなかった。自宅の電話番号も公表した。玉石混合ではあったが、その中には信憑性の高いものも確かに存在した。

 TBS系の失踪事件、難事件に挑戦する「TVのチカラ」という番組も超能力捜査を実施、アメリカ・FBIの超能力捜査官・マクモニーグルも

 「北朝鮮に拉致されたという情報もあるが、私が透視した限り、そんなことは決して無い。彼は生きていて、日本にいる。西日本有数のコンテナ港(神戸?)にいる。」

 と述べるなど、一縷の希望のある面も覘かせた。

 
■急転直下・・・伸矢君と酷似する青年は同一人物か?■

 ところが、平成26(2014)年7月29日、愛知県・弥冨のショッピングセンターのトイレで、熱中症で意識不明になっていた1人の青年を保護した。彼の名は和田 竜人さん。何とか一命を取り留めたものの、彼はあろうことか、意識を取り戻した時点では記憶喪失に陥っていた。それでも少しずつ記憶を取り戻しつつある。彼によれば、何と15年以上もの間、軟禁状態だったというのだ。家を出ようとすると、「おじさん」という人から殴る、蹴るといった体罰を受け、痣をよく作ったという。堪えかねて、その年の6月の終わりに家から脱出。飲まず食わず、放浪とした。水分不足など、脱水症状と真夏の暑さからとうとうスーパーのトイレで倒れこんでしまったのだというのだ。以後、自立支援センターで暮らしている。

 ご覧になった方も多かろうが、今年の1月の末、民放の大捜査スペシャルで、彼のことが取りあげられていた。15年以上も軟禁状態にされ、記憶喪失・・・これだけでも壮絶な体験と言える。

 しかし更なる問題は番組終了後だ。

 何と視聴者から、

 「松岡伸矢君と和田竜人さんは酷似しているぞ!!」

 という声がテレビ局に殺到したのである。しかも15年以上という年数まで伸矢君がいなくなった月日にかなり近い。当初、北澤 尚さんという三重県の青年だったという調査もあるが、北澤さんはコンビニの店員さんで、AKBの大ファンらしい。軟禁状態だった和田さんとはだいぶ違うのではないかと視聴者達は感じたようだ。

 テレビ局もこの反響を重視し、愛知・三重両県警に通報。徳島県警と連携した。当初、DNA鑑定については慎重で、実施するかどうかで、二転三転したという。父・松岡正伸さんによれば、結局2月上旬に徳島県警の捜査員が来て、DNAを採取したという。
 
 2月6日、DNA鑑定の結果が判明。

残念ながら、和田竜人さんと松岡正伸さんとは親子関係には無い、というものだった。

とはいうものの、4歳で両親と別れ別れになった事、顔の輪郭、15年(和田さんによれば17年)以上軟禁生活をさせられたことは辻褄が合っている。しかし詳細に見てみると、矢張り違う。伸矢君の場合は、散歩途中でいなくなったのに対し、竜人さんの証言によれば、彼は両親のクルマに乗せられ、後部座席ですやすやと寝ているうちに、「おじさん」という人の家に連れて行かれたのだという。しかも脱出経路の舞台が静岡県〜愛知県、それも国道1号線沿いで、四国ではない。

 この和田さんの事件はこの事件で非常に難解な事件だが、何れ機会を設けて考察したい。和田さんは報道やテレビを見る限り、個人的に優秀な頭脳をお持ちの方のようにお見受けしたので、戸籍を得て、世の為人の為、活躍して欲しいと願っている。

■矢張り「謎の電話」が手がかりではないか■

 話を伸矢君の事件に戻そう。

 個人的には警察もあまり注目しなかった、「謎の電話」(ナカハラ マリコの母と名乗る女の電話)がひとつ鍵になるのではないかと考えざるを得ない。

 当初、余りにも松岡家の事情に精通しているので、親類か北朝鮮の工作員がやったのでは、という意見も根強い。が、その可能性はこの電話内容を詳細に見てみると非常に低い、と言わざるを得ない。

 先ず、北朝鮮の工作員の可能性だが、地理的に見ても、どう考えても北朝鮮から徳島は遠すぎる。寧ろ茨城の方がずっと拉致しやすい。以前佐久間奈々さん失踪事件で「大町ルート」なる拉致被害者が通るとされるルートをとりあげた。隣県の千葉県に出れば、大町ルートは近いからだ。北朝鮮は足がつかないように、日本海側か、大町ルート周辺から手際よく拉致しているのが常だ。が、伸矢君も拉致としたら、あまりにも時間を掛け過ぎている。拉致自体、決して出鱈目に拉致しているのではない。実際、拉致問題の注目の発端となったのは、横田 めぐみさん(昭和39年生まれ)だが、彼女の母親の親類は方子さんという皇室なのだ。その孫娘であるめぐみさんは計画的に拉致されたと思うべきである。何のためかといえば、日本の皇室の血を引いている人を国母のごとく大切にすることは金王朝の体制強化に繋がるからである。

 口先では中韓朝の「反日トリオ」も日本の天皇制をこき下ろしているが、その実、天皇陛下の権威を利用し、体制強化に血道を挙げているのだ。現にあの習近平も最初は有力な後継者の1人に過ぎなかったが、日本の天皇陛下に謁見したことで、たちまち国家主席の有力候補に躍り出て、現在国家主席だ。天皇陛下との謁見が無ければ、ライバルの李克強が国家主席になっていてもおかしくなかった。

 彼らは極めて計画的に拉致をしている。手当たり次第の出鱈目ではない。圭子さん母親の急死も疑えると書いた。が、それでも伸矢君を徳島におびき寄せて拉致するために母親を暗殺したというのは考え過ぎではないだろうか。勿論圭子さんの母親の急過ぎる死も調べる必要があるかもしれないが・・・。

だから伸矢君が拉致されたとはちょっと考えにくい。

 一方、ナカハラと名乗る女は勿論架空の人物だろう。しかし徳島弁を話せるようだ、と正伸さんが言っている以上、この女性は徳島にいる人物と考えてよい。ではなぜ松岡家の事情をこれほどまでに詳しく知っているのか?

 それは伸矢君に直接聞いたからだろう。最低でもこの時点では伸矢君は生きているということだ。

 この時に

 「ナカハラ マリコの母です。成蹊幼稚園の月組の父兄です。幼稚園で見舞金を集めたのですが、どちらにお送りすればよろしいでしょうか?それとも帰宅されますか?」

 と言っている。なぜいちいち聞く必要があったのか、ちょっと考えてみたい。

 推測だが、いつまでも経っても徳島県から出ようとしない正伸さんと圭子さんに

 「あんたら、一体何時まで徳島にいる積りだ」

 と苛々気に電話を掛けて寄越したと言えなくも無い。なぜ苛々して電話して来たかと言えば、犯人が徳島にいるからではないのか。

 だとすれば、犯人は失踪現場から意外なほど近くにいる人物、ということになる。でなければ、松岡家の様子を窺うことなど到底出来ない。「灯台もと暗し」とは正にこのことだろう。もっと良く失踪現場付近を調べた方が良いのかもしれない。

 となると気になるのは動機だろう。

 圭子さんの祖母の「急死」が無ければ、伸矢君が失踪することは無かった。ということは、動機は計画的では無いということは言える。犯人と伸矢君がどこで接点があったかと言えば、圭子さんの祖母の葬儀、その程度だろう。葬儀で犯人(多分、女性)が伸矢君を見染めて、「かわいい死んだ息子に似ているかも・・・」そんな程度かもしれない。それほど複雑な動機ではない可能性が高い。

 何れにしても、正伸さんは今年60歳になる。老人の域に達しつつある。真相解明が急がれる。

 皆さまはこの「平成の神隠し」と呼ばれる超有名な失踪事件、どう思われただろうか?

 長いレポートを最後までご覧頂き、ありがとうございました。

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