昨日の夕方、1年あまり編集していた単行本の念校を戻した。念校とは最後の校正だ。
校正中、一字一句を集中して読み進めていると、何度か吐き気のような不快感を覚えた。頭の回転に体力が追いついてくれない。老化も多少は関係しているが、そもそも自分の「脳力」が弱いせいだ。
夕食後、何をする気力も湧かなくて、午後7時半スタートのJリーグ中継「浦和レッズvs川崎フロンターレ」を観た。途中、選手の背番号が全然読み取れなくなって、自分が本当に疲れ切っていることをこの身で知った。疲れたときにサッカーなんて観るもんじゃない。
23時を過ぎた頃に、YouTubeで音楽動画を聴き始めた。浪人時代にヤバいロック喫茶で知ったタンジェリン・ドリームの2時間近いライブを飛ばし飛ばしで聴いて午前零時。
関連動画にクラフトワークのライブ動画を見つけ、しばしの間、懐かしい曲を聴いた。iPodを買った頃、彼らのベストアルバムをインストールして会社の行き帰りに聴いていたことがあったが、その後完全に忘れていた。いちばん好きな「trans europe express」は、大学の2年にヒットした曲で、当時は2万円を超えていたダブルラジカセにFMのエアチェックで落として繰り返し聴いていた。その関連で、当時同じように何十回となく聴いていたキング・クリムゾンを思い出して「エピタフ」を検索したら、YouTubeに何曲も上がっている。
やがて世界は破滅に向かうだろう、世界中の人が悪夢を見る……、なんて暗い預言と暗喩だけの歌詞なのだが、思えばこの曲が大ヒットした頃の欧米や日本は地上の楽園だった。まさか40数年が経って、エピタフ=墓碑銘の歌詞が現実に近づいて来ようとは、当時のプログレファンはほとんど想像もしてなかったと思う。
But I fear tomorrow I'll be crying,
いや、明日が怖くて私は叫び続ける
Yes I fear tomorrow I'll be crying
そう、私は明日が怖いから叫び続けるんだ
エピタフには何度もこのリフレインが出て来る。
その前にクラフトワークが2012年、千葉でライブをした際の動画で、フクシマの原発事故をあざ笑い半分告発半分の曲を聴いたことと、時間が深夜25時を過ぎて思考力がいよいよなくなった状態になったことから、頭の中に黒い靄がかかったような状態に陥った。
酒を飲める人はいいな。
私は上手くリラックスが出来ない。
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