【メルマガくん】にも、何回も登場していただいた
フランスの作家、ロジェ・グルニエが亡くなりました。
(11月8日没、98歳)
日本では、一部の熱心な人の間で有名なだけなので、
恐らく、一般紙では、死去の第一報がなかったでしょう。
私は、ツイッターで、亡くなった翌日に知りました。
インターネットの時代であることを痛感します。
グルニエの小説は、どれも好きですが、
短編「フラゴナールの婚約者」が最も好きです。
いえ、短編小説の中で、一番好きなのが、これです。
(La fiancée de Fragonard
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所収)
主人公は設定されていますが、本当の主人公はパリです。
それも、誰もが行く観光地のパリではなく、
「そんな名前の街区があるの?」と言いたくなるような、
グルニエならではのパリです。
地図で調べると、ちゃんと実在するのです。
パリの地図をかたわらに置いて読み進めると、
だんだんと迷宮に誘われます。
気がつくと、戻って来れないような深い迷宮です。
もう一度、読んで、迷宮の底でグルニエに出会うことにします。
迷宮ではなく、冥界です。
今度は、戻って来れるかな。
* * *
幸い、日本語でも読むことができます。
短篇集『フラゴナールの婚約者』
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