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2017年10月19日13:58

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猫事情 6

2016年1月末にゴン太はやってきたのだった。
「理想の男」http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1950255109&owner_id=5894825

生粋の野良猫で荒くれ者のゴン太は触らせてもくれなかった。
食べ物を求めてやってきたその姿を見た時、最後の人生というか正確には猫生をここで終わらせるめにやってきたなと解った。

そのゴン太が火傷をしたことがあった。
今年の四月だった。
義弟夫婦が訪れた日だった。
午後から夜まで6時間、食事やお茶、会話を楽しんだ。
その間ゴン太はずっと外で過ごした。
天気も良かったので他の猫も外だったり戻ってきたり。
ゴン太は知らない人がやってくると必ず飛び出して、私が呼び戻すまで戻ってこない。
すでに暗くなって義弟夫婦は帰って言った。
呼び声で戻ってきたゴン太の背中が濡れていた。
それは右肩から左尻にかけて斜めにちょうどテープを貼ったように毛が濡れてペタンと張り付いていた。
誰かに水をかけられたのだと思った。
ゴン太は訪問者を避けて外で過ごす時はパテオの隅か裏庭のどこかで、表庭に出たとしてもそれ以上遠くにはいかない。
なのでその日は珍しくどこか他所の庭にでも入り込んで水をかけられたのだろうと思っていた。
ところが四日目にその毛がゾロリと落ちてしまい、火傷していることに気がついた。

その日から1ヶ月獣医通いが始まった。
最初は1泊して血液検査もし、傷を洗ってもらって消毒し、軟膏を塗ってもらった。
そしてその傷を舐められないように白いカラーをつけられた。
翌日迎えに行った日、再度傷を洗ってもらって何種類かの軟膏を塗ってもらった。
その時ゴン太の前足を私が握って獣医を襲わないようにしっかり抑えていたのだが、あの荒くれのゴン太がブルブル震えていたのが不憫だった。
獣医は3週間で完治しますと言ってくれたが、実際には1ヶ月半かかった。

獣医に火傷の原因を聞いて見たがわからないとの答えだった。
猫好きの下宿人のスコットも頭をかしげる。
「薬品の匂いはしなかったから薬品をかけられたとは思えないのだけど。」
「誰かがヤカンの熱湯をかけるにしてもじっとしているようなゴン太じゃないしね。」
「何かかけられたにしてもまるでテープを貼ったように2センチ幅に斜めにというのが不思議よね。」
「もしかして車の下に潜り込んでちょうど熱かったラジエーターがもれていたとしたら?」
「その可能性はあるかも。けど暑いと感じた瞬間に前方に動くから斜めに跡がつくのは不自然だし。」
結局、原因はラジエーターかもしれないということに落ち着いたが、疑問は残った。

首に白いカラーをつけたゴン太は要領がわからず、最初はあちこちにカラーをぶっつけていた。
その姿は他の4匹の猫たちにとってはまるでモンスターだった。
それでなくとも怖いゴン太がもっと怖いモンスターになってしまったように見えたらしく、パニック状態を引き起こし、逃げ惑った。
その様子は変におかしくもあった。

火傷が完治し、徐々に毛も生えて元の姿に戻った。
いつものように良く食べ、よく飲み(水)洪水のように排尿し元気だった。
頭から肩、あごの下も撫でさせてくれる。
が油断はできない。
ふとした瞬間に引っ掛かれ噛みつかれる。
でも構わない、惚れた男だ。

2017年10月19日夜明け4時20分ゴン太は逝った。

さよならゴン太。




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