昨夜、福岡と大分にまたがる地域が大雨によって土砂災害が起きているニュースをNHKで見て、心が痛んだ。平穏無事なダイニングでパイナップルの缶詰を食べながらニュースを見ている自分がいる。別に悪いおこないではないのだが、太宰治的な自嘲に似た気分になった。
テレビニュースを見終わってから部厚い地図帳を開いて、被害が甚大だった福岡県朝倉市と東峰村を探した。知らない地名が出て来ると地図を開くようになった。東日本大震災からできた習慣だ。
九州の土地鑑はまったくない。朝倉市を探したら先に太宰府市が見つかった。太宰府天満宮って福岡市からこんな位置関係にあったのか、と初めて知った。近くには親友の出身地・久留米市もある。東峰村は朝倉市の東にあって隣接している。水繩山地という山岳地帯の後背地だった。熊本地震でも同じように地図帳を開いていくつもの発見があった。場所がはっきりと分かれば一段階、親身な気持ちになれる。川に呑み込まれて行く様を目の前で見せつけられると、心底怖ろしかっただろう。
昨日は午前零時まで。今朝は午前9時半から初校ゲラを見ていろいろと「細工」を施し、台割も作成した。結局はパソコンじゃなくてアナログだ。
午後2時にとりあえずキリのいいところまでやって封をした。郵便局へ行って、デザイナー宛てにレターパックで送る。ついでと言っちゃなんだが、礼状も一枚。
6月からはがきの料金改定があったのにもかかわらず、記念切手シートはわずか3種類しか出ていない。そのうちの2つは夏用のデザインなので、実質は1シートだけだ。通常の62円切手はデザインがダサいことも含め、日本郵政のゆるさ加減が腹立たしい。はがき用の62円用切手は大して売れない、だから適当でいいという雰囲気が伝わって来る。デザインがいいと、それだけではがきを書く気になるんだよ、と言いたい。
自転車で郵便局へ行ったので、ついでに図書館へ回ってみた。2週間ぶりだ。
「本の雑誌」をほぼ全部読んで、読みたい本と読みたい作家をメモった。メモでも取らないと、数日経ったら忘れてしまう。
小田原に住んでいた貧乏作家・川崎長太郎を読み直す、
戦前の神戸を描いた西東三鬼という作家を読もう。
仙台を旅することがあれば東北最大の古書店「萬葉堂」へ行け。
夕方のニュースを見たら、今日も九州の災害がトップニュースだった。昨日以上に被害が拡大している様子で、胸が痛む。
企画モノでガイジンさんに大人気の「お遍路さん」特集をやっていた。海外旅行者のブームらしいのだが、ウソこけと笑いながら見ていた。が、確かにお遍路さんは年々、人気が出て、40年前50年前とは比較にならないほどポピュラーになりつつあるのは事実だ。高松の東端にあたる屋島に5年間住んでいたので、屋島寺と八栗寺と志度寺くらいは何度も参拝しているし、遍路道だって「ああ、あの道かぁ」くらいの記憶はある。中学生・高校生では、お遍路さんに興味を抱いたり寄り添う気持ちが湧いたりということは難しい。いや、それとも私の精神が未熟過ぎたのだろう。お遍路さんに限ったことではなく、これまで見逃して来たことがあまりに多すぎる。
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