ツールうつくし十三回記

初めてツールド美ヶ原自転車レースに出たのは、
四十四の年だ
あのときは、前夜、寮友の秋山健が泊まりにきていて、
ヨメハンに酒を勧めるわ、
うちはスナックちゃうっちゅうねん！

で、寝不足、アタマイタ、熱帯夜。
翌朝の本番、うつくしの１９００メートルに上がって行っても、
途中２５〜３０度ばかあったんじゃなかろうか
あのときの記録は１時間５４分だった

この１２年間、真ん中らへんに大雨中止が一度あったが、
今日がおれにとって十三度目のレースであった



朝の新聞配達時は雨、途中本降りだった
１時間どっぷり寝直して、出撃前に地震があった
雨はほぼ止んだ
７時３９分男子Eクラス（５０代）スタート。

浅間温泉からすぐに始まる激坂も濡れた路面だった
このゲキ坂の存在が、日本一きついヒルクライムとされているんだ

今年は後半もコシイタがそんなにゃ出なかった
頂上稜線まで上がると、路面は乾いていた
しかし、濃霧で、１０メートル先も視えない
コースはアップダウンやフラットとなり、スピードは出るが、
もしすぐ先に転倒者でもいたら、ブチ当たっていたろう

昨年はヘロヘロでゴールしたが、今年は足が残っていた
記録は１時間４７分４９秒だった
４年前だかに出した１時間３９分台にはまったく及ばない
５０代のクラスにエントリーした３８２人中、１４８位だった
完走者は２９９人。
４０代のエントリーが一番多くて約５００人。３０代は約３００人。
２０代は約１５０人。
他の年代のクラスに入れば、いつものように真ん中くらいの順位だ
ちなみに６０代は８２人。７０代以上は９人。最高齢８２歳とのこと。
女子のクラスは７１人。

おなじ５０代でも真っ黒に日焼けした脚に、
すごいふくらはぎをしたやつが多かった
上背は、でかいやつが多いが、ハラは７０センチくらいのがけっこういる
そういうやつらを見てると、
ただ毎年出場し、完走して満足しているようじゃいけんだろう
レース前一ヶ月になっても、一日１時間ていどのトレーニングじゃ、
ぜんぜんダメダ、と痛感する

まだまだやれるはずだ
ナンナンダロウ
年一度味わうこの至福の充実感は。

おれの人生もまだまだやれるという思いが湧いてくる。


5月２８日に吹っ飛んでスっ転んで顔面から逝った傷跡が結局残っている