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2017年03月08日22:25

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拝啓ルノワール先生

昨日あべのハルカスに行ったとき、この展覧会を観た。
Rはルノワール、Uは梅原龍三郎。

ハルカス美術館は夜8時までやっているので仕事帰りでも行けるのがいい。

「拝啓 ルノワール先生」という奇妙なタイトルの展覧会だがルノワールの展覧会ではない。主役は日本を代表する洋画家の梅原龍三郎である。梅原龍三郎は、ルノワールをはじめ、パリ画壇の西洋画家の巨匠たちと交流があり、また自身が作品の収集を積極的に行った。

本展は、ルノワールを中心に、梅原龍三朗と画家たちとの交流をたどりながら梅原自身の作風の変遷や、彼がインスパイアされ彼が買い付けた西洋画家の巨匠たちの作品も鑑賞できるというもの。梅原の作品も勿論だが、ルノワール、ピカソ、ルオー、セザンヌ、マティス、モネなどの作品も展示されている。

梅原龍三郎(1888-1986)は、明治時代から昭和末期まで活躍した日本を代表する西洋画家。
京都の染物屋の息子として生まれ、若き画学生であった梅原は、師事していた浅井忠が亡くなり1908年、自身の西洋画のレベルアップのため、船で60日間かけてパリへ留学した。

梅原がルノワールを知ったのはなんと船中でのことであったと言われているが、パリについてルノワールのなまの作品を観た梅原はすっかり彼に惚れこみダメ元で1909年2月、ルノワールの南仏カーニュのアトリエをアポなし訪問。そこでルノワールに気に入られ弟子入り成功。だがこのときルノワールはすでに高齢であり、師匠の死をもって師弟関係は10年ほどで終焉を迎える。

本展では、ルノワールとの書簡も展示されているが、絵の解説に色を添えているのは梅原の著作「天衣無縫」の中のルノワールとの会話の数々。

梅原はパリ留学でランソンのアカデミーに入って絵を学んでいた。そのときの講師陣はモーリス・ドニやヴュイヤール、ボナールなど印象派やナビ派の巨匠たち。

しかしルノワールは「昨今次々とアカデミーができているがよくない学校が多い。(まぁランソンのアカデミーはさほど悪くはないが)アカデミーに通うより自然を観て描くのがよい。」と梅原に助言している。また、「ルノワール先生がドガとセザンヌ以外の画家をほめたのを聞いたことがない。」とか「モネはまぁ悪くない」(その程度の評価)と言ったとか。
マティスについては「この画家はあまりに多くの絵の具を置いてあまりに他の何物を置かな過ぎる」と独特の批評をしたり、読んでいて面白い。

また留学末期には梅原は「ルノワールよりセザンヌのほうが偉い」と、セザンヌへの傾倒を明言しており、2度めの渡欧ではピカソ、ルオーなどとも交流するなど、彼の研究心はルノワールだけにとどまらず当時の西洋画の巨匠たちと次々と親交を持ち、自らの作風を確立していく。

しかし最初の恩師であったルノワールに対するリスペクトは変わらず、たびたびルノワールの作品と同じ構図・画題の作品を遺している。
なかでもルノワール晩年の作品「パリスの審判」へのオマージュは素晴らしく本展のメイン展示になっている。

梅原龍三郎は若くして日本の西洋画壇を代表する画家として成功をおさめ超リッチになるが、彼が自らの画業とともに注力したのが西洋画の買い付けだった。日本の西洋画壇や美術教育の啓蒙も兼ねて、ルノワール、ピカソ、ルオーなどつぎつぎ購入した作品を自ら楽しみつつ、国立西洋美術館などに気前よく寄付するなどして、日本の美術界に大きく貢献したのだ。

今回の展覧会でも、梅原が購入し収集した作品群がたくさん展示されている。大好きなルノワールの絵から古代エジプトやギリシャの古美術品など。美術館に寄贈するときに自分で選んだ額装をしたり、作品を収納した木箱に描いた絵や字も展示されており、収集した作品への愛着がにじみ出ている。

本展の後半は梅原龍三郎画伯の晩年の作品が多く並ぶ。
北京裸婦、紫禁城、霧島、浅間山、青楓煙景、バラミモザ、ひまわり・・・など。
どれも筆致が力強く色彩も強烈で・・ひとことでいうと「日本のマティス」と呼びたい。かな。



◆拝啓ルノワール先生 〜梅原龍三郎がであった西洋美術〜

1 ルノワールとの出会い
2 梅原龍三郎掌の小品
3 私蔵品から公的コレクションへ
4 交友と共鳴 梅原と時代、梅原の時代
5 ルノワールの死
6 ルノワールの遺産

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