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2016年12月30日01:51

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「ドン・キホーテ」読中感想文

 先月観たダリ展で本書を読んでみたくなった。比較的新しい訳。訳者は荻内勝之大先生、東京経済大学教授である。スペイン語であるのみならず古文なので、それほどの大先生でなければ訳せないだろう。日本語でなくて良かった。そうだったら原文で読みたくなるから。

 本書の出版が1605年と知り、うんざりする。ウィリアム・シェイクスピアと同年代ではないか。
 シェイクスピアを忠実に再現したとするテレビドラマを若い頃に観た事があるが無茶苦茶くどい!ハムレットのモノローグのくどさといったらない!
 なんでも、その当時の戯曲は酒宴の余興としてBGM的に上演されていたから誰も聞いちゃいない。だからこそ、くどくどと、くどくして聴衆の耳に届くようにしたのだそうだ。それゆえ最近ではシェイクスピアの脚本をどう端折るかが演出家の腕の見せ所なんだと聞いた。

 蛇足だがBGM 環境音楽の始祖を自任するエリック・サティは自分の音楽が開演されて聴衆が静まると、
「音楽を聴かないで!そのまま、おしゃべりを続けて!」と叫んだそうな。

 本書は戯曲でなく小説だからシェイクスピアよりはマシである。
 本書は喜劇だが、その言葉では足りない。お笑い文学・ギャグ物語etc.とにかく滑稽さで読者を笑わそうとしている。しかし17世紀の人間と現代人では笑いのツボが違う。クライマックスと謂われる風車に突撃する所まで読んだが少しも笑えなかった。子供向けの喜劇を冗長・難解な文章で読んでる気分。

 現代でも本書が評価されているのは「笑い」ではあるまい。ドン・キホーテの心意気とか勇気とか。もう少し読み進めたら、そういう所があるのだろうか?ダリが挿絵を描くくらいなんだから。
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