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2016年11月27日02:23

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ダリ展

http://www.nact.jp/exhibition_special/2016/salvador-dali/
 本当は別の展覧会を観る為に来た。着いてみると、それは再来週からだった。痛恨のミス!まあ良いやバイクはフットワークが軽い。六本木なら一瞬、上野や竹橋までも十数分だ。でも、面倒臭いなあって事で本展を観る事にした。
 チケットを買ってから入口に並ぶ間に
「俺にはダリは解らないんじゃないかな?」と独り言。入場規制で30分待ち。チケットを払い戻そうかとも考える。

 だが私の予想は裏切られた。物凄く良かった!私はダリを誤解していた!

 ダリといえばシュールレアリズムだが、この人はその範疇に収まっていない。
 本展では代表作の融ける時計が無いが、逆にそれが良かったと思う。尤も本展の出品作品の幾つかに脇役として登場してはいる。

 ダリは騙し絵が得意だ。注意深く絵を視ると寓意が隠されていたりして面白い。判ったり解らなかったりw。
「テトゥアンの大会戦」で幾つかの人物の顔が奥さんの”ガラ”である事は直ぐに気付いて吹き出したが、この作品に数字が隠されている事には、近くの若い女性2人組が話してるのを聞くまで気付かなかった。

 閉館ぎりぎりまで観た。全部観た後、入口まで引き返す。閉館間際の入口付近はガラガラなのだ!ゆっくり観れなかった作品をあらためてゆっくり観れる。
”子ども、女への壮大な記念碑”を観ている老夫婦の会話が、またしても鑑賞の助けになったりする。

 私が本展のMVPに挙げたいのは「『ドン・キホーテ』の挿絵」だ。開いた口が暫く塞がらなかった。凄過ぎる!それまでの作風から一変して筆の殴り書き。若冲を彷彿させる。この時期、東洋の絵から影響を受けたのだろうか?近くの観覧者が「なんでもありなんだな?」と言ってるのが聞こえる。

 過去の日本の画家で成功しないから、アルバイトとして挿絵を描いている画家は多い。現代なら挿絵を描けるようになったら充分成功だが。
 而してダリはその逆だ。成功してから挿絵を描いた。貴賎の概念は洋の東西で違うのか知らない。そもそも貴賎なぞ無いのだ。ダリがそう思っていたのかは知らないが私は大いに共感した。
 ダリを知っていても知らなくても、大いに楽しめる展覧会である。
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