17時過ぎ、多くの博物館・美術館は閉館している。森美術館なら22時まで開いている。
「宇宙と芸術展」
http://www.mori.art.museum/contents/universe_art/
正直あまり期待していなかった。宇宙と芸術、トホホな予感しかしなかった。だが、非常に良い意味で裏切られた。20時頃に観終わって21時閉店のカレー屋に行こうと予定していたが、閉館ぎりぎりまで観てカレーを食い損ねた。
仏教世界の宇宙観「曼荼羅」から始まって、プトレマイオス、ガリレオ、ダ・ヴィンチ、ケプラー、ニュートンetc.の近代科学の創始者の手稿、そして現代美術、さらにNASAやグーグルが公募したプロジェクトの受賞作。
美術館の枠に囚われない博物館的な展示物も多い。テーマパークとはこういうのを謂うのだろうか?知的遊園地。物凄く楽しめた。
キュレーターの質も高い。江戸幕府天文方が太陽の黒点を記録した図の余白に「黒点は温度が低い場所のようだ」と書かれているという説明があった。
私は日本画に書かれている賛が読めない。常々それに対する現代語訳、せめて今の字に直したのを横に併設して欲しいと思っている。
一部の作品は撮影可である。私が撮ったのはトレヴァー・バグレン氏の作品。
「こんなの俺でも撮れるじゃん!」と悪口書こうと思って撮影したが、会場の離れた場所に私にはとうてい撮れない作品が並んでいた。それは撮影不可。故障した軍事衛星の写真とか、氏のシニカルな視点に共感する。
会場を後にする際に、ちょっと賢くなった気分になれる事うけあいである。
ログインしてコメントを確認・投稿する