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2016年08月30日23:23

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今週のオークラ

 上野オークラで池島ゆたか監督の新作「性愛スキャンダル コケシと花嫁」を観る。冴えない中年男の主人公が、お見合いパーティーで知り合った若く美しい女性に告白される。舞い上がる主人公だが、釣り合わないカップルに、男がファム・ファタールに翻弄され破滅するミステリーを予想する。
 ところが主人公が拾ったコケシが、女の姿で恩返しに来るファンタジーに変貌するのに驚く。
コケシは、女性が妻子ある男と不倫していて、主人公に借りた金もその男のために使ったことを、あっさり暴いてしまう。
 この後二転三転する主人公の心理を描いて面白いのだが、結末には驚かされた。相手の女性は、男の前で主人公を笑い者にしたり、クールな悪女と言った感じではない。もしかしてコケシの方が、真のファム・ファタールではなかったか、とも思える。映画は詳しい説明をしないし、あのラストシーンから見て、いろいろな解釈が可能だ。ともあれ、楽しめるサスペンスだった。
 主演の那波隆史さんは、珍しく女性に縁のない男を好演。紙相撲がわびしい。めぐりさんの「わるいおんな」は、享楽派だった城定秀夫監督作と違い、二面性を見せ全編熱演。不倫相手の言を借りえば「女優賞ものだ」。
 川越ゆいさんは、前作の幽霊に憑依された役以上に人間離れした感じがあり、そこからユーモアが生まれたりして楽しかった。いきなり裸になる場面はちょっとおかしく、近くにいたお客さんも「あれ?」。
 久しぶり出演の沢村麻耶さんは、序盤を締める。主人公なじみの風俗嬢で、3年間定期的にセックスしていたと語られる。主人公の婚約で、これが最後と告げられ、ここで感情の揺れが感じられながらも、祝福して去る。この場面は良かった。
 製作本数は減っても、今年のピンク映画はいい作品が多い。また再来週。
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