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2016年07月29日23:49

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シモン・ペレスの言の葉

「好ましい結果が出た世論調査とは、香水と同じだ。本当に素晴らしい香りがして、暫くの間うっとりとさせてくれ
る。しかしそのまま飲んではいけない。」(シモン・ペレス、イスラエル首相)

 イスラエルという国は本当にいつもハリネズミのごとくピリピリした国である。常にアラブ諸国と緊迫状態にあるため、政治の停滞が許されない。それでいて、選挙に勝利しながら、議席を過半数も取れないということはザラにある。こういう生存環境にいる国の首相は有能であるのは勿論だが、祖国のために血を流せる人でないと、絶対になれない。その過酷さを揶揄したこんなジョークがある。

 以前ベングリオン首相がアメリカのアイゼンハウアー大統領と会談したときのことだった。アイゼンハウアーはこう言った。

 「アメリカの大統領という仕事は大変だよ。何せ1億7千万人(当時)の国民の大統領なのだから。」
 
 するとベングリオンが

 「閣下。私の方がはるかに大変ですよ。何しろ200万人(当時)の『首相』の『首相』なのですから。」

 自分の考えていることは絶対に正しい、そんな国民を率いて行くのはとてつもなく大変だとベングリオンは言い返したのである。

 今宵採りあげたペレスは実は一度も選挙で首相になったことがない。イツハク・ラビン首相が暗殺されたため、その後継になれたというだけである。それゆえ世論調査の数値など、冷やかに見る事が出来たのだろう。

 確かに香水のようだ。数字は良いが、いざ選挙となると、惨敗という話はよくある。

 翻って日本。

 日本の場合、何か疑惑が生じると、メディアは挙って叩きまくるので、世論調査の数値は更に信用できない。偏りが露骨に出るからだ。舛添元東京都知事は、確かに東京都の条例で定める以上の金額を動かしていたことは否定しがたい。東京都は地方交付税を貰っていないため、会計監査院のチェックを免除されている。それゆえ、彼が図に乗ってしまった。法的には舛添氏はどれだけダーティかと言われれば、それほどでもない。

 しかしまるで池に落ちた犬を叩くがごとく、舛添氏を叩くことが、マスコミが熱を挙げて取り組むべき仕事なのだとしたら、あまりにも情けなかろう。それを我々は真に受けるべきではないだろう。順当に行けば、都知事選そのものは8月1日に選挙結果が明らかになるが、「甘い香水」を飲んではいけないのは我々有権者側も同様である。

 舛添、猪瀬両都知事が失脚した理由はお金である。都民の信頼を考慮するのであれば、寧ろ荘大なマニフェストを掲げるより、お金にクリーンであるべく、どうしたらいいか、そのマニフェストを候補者はアピールすべきではないだろうか?

 最後までお読み頂き、ありがとうございました。
 

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