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2016年02月17日00:02

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「同じ夢」@シアタートラム

200席あまりのシアタートラムでこのメンツのお芝居が観られる。これはもう絶対に行かなくてはダッシュ(走り出す様)と鼻息荒く、先行でチケット取り。座席選択もできたので、センターブロックの3列目という良席でルンルンるんるん

二代目店主の昭雄(光石)が切り盛りする、精肉店の店舗兼自宅が舞台。 妻は交通事故で他界しており、加害者の元トラック運転手の田所(大森)は毎年命日に焼香に来る。 寝たきりの父と娘の靖子(木下)と3人暮らしの住まいに、介護ヘルパーの高橋(麻生)、先代の頃からいる従業員(赤堀)が出入りする。 昭雄の幼馴染で飲み友達の文房具屋の秀樹(田中)はいつも入り浸り、煙草をふかす。今日は亡き妻の10年目の命日、微妙な人間関係で成り立つ6人が直面した思いがけない真実とは。。

作・演出 赤堀雅秋

出演 光石研、麻生久美子、大森南朋、木下あかり、赤堀雅秋、田中哲司 

地方都市の冴えない人たちの物語。ただただ目の前の日常をやり過ごしている彼ら。痴呆の親に困惑、シングルマザーで不倫中、店の金をくすねる手癖の悪さ等々、それぞれの抱える鬱屈としたものが見え隠れしながらも心の奥底はわからない。なんでもない彼らの日常を観客は覗いている感覚。現状を打破するような前向きなパワーもないし、諦めているようでもある。そんな彼らだけど、いやだからこそ共感するし、なんだかちょっと安心した。

ビールの席で5千円立て替えた覚えてないと言い争ったり、買ってきたショートケーキショートケーキを食べろとしつこく勧めたり、トイレがかぶってイライラしたり、近所の蕎麦屋がまずくて店員の態度も最悪と延々毒づいたり。基本はありふれたエピソードの積み重ねにクスクスさせられる会話劇。でも、油断してたらドーンと突き落とされるような重いエピソードもあり。

なんと言っても、この6人の演技を間近で観られる贅沢さよexclamation ×2光石さんの真面目さと小物っぷり。麻生さんの色気と投げやり具合。南朋さんの飄々とした中に見え隠れする屈折。木下さんの切ない恋心。赤堀さんの実在感。田中さんのおせっかいかいじわるか掴めない心。とにかく全員素晴らしかったぴかぴか(新しい)あの中に入って一緒にお酒飲んで煙草吸って喫煙、一緒にぐだぐだしゃべりたいなぁ、って。

役者ってつくづくすごい職業だなとドラマや映画ももちろんだけど、舞台を観ると改めて感心する。食べながら動きながらセリフを言い、時には歌ったり踊ったり、泣いたり怒ったり笑ったり。それを何百何千人の目に見られながらやってのける。本当に心から尊敬するわ。

贅沢な時間を過ごしたことは間違いないが、楽しかったけどどんよりもしたし、なかなかどうプッシュしていいか迷うお芝居ではあった。でも、ストーリーの好き嫌いは別にして、役者陣を堪能するという部分では大大大満足な観劇でしたわーい(嬉しい顔)
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