mixiユーザー(id:4795751)

2015年12月24日20:27

280 view

ナイロン100℃「消失」@本多劇場

2004〜2005年に上演されたこのお芝居。当時と同じキャストで再演するとのことで、絶対行きたいっダッシュ(走り出す様)と張り切って先行でチケット取り。座席選択もできたので、センターブロックの5列目というかなり観やすい席で手(チョキ)

クリスマスの夜、パーティーの計画を練る兄チャズ(大倉)と弟スタンリー(みのすけ)。
しかし、楽しい一夜になるはずが、ちょっとした誤算からその計画はもろくも崩れ去ってしまう。
スタンリーが想いを寄せるスワンレイク(犬山)、謎のヤミ医者ドーネン(三宅)、
兄弟の部屋を間借りしたいと言うネハムキン(松永)、ガスの点検に来たと言うジャック(八嶋)。
兄弟の家に集まった彼らの抱えていた「秘密」が彼らの心を離れた時、
そこから生まれてくる全ての感情が彼らを破滅へと導いていく。
破滅の先に彼らが見たものとは?

作・演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ

出演 大倉孝二、みのすけ、犬山イヌコ、三宅弘城、松永玲子、八嶋智人

ナイロン100℃の中でも『わが闇』と並んで傑作の呼び声高い作品だそう。どちらも再演からだけれど、観ることができて本当によかったなと思った。評判に偽りなしexclamationの心震える素晴らしい時間を過ごすことができた。休憩含め3時間ちょっと、ひとときも逃したくないと集中して神経を研ぎ澄ませて彼らの行く末を見守った。

このお芝居の紹介に「善意を描くことを避けてきたKERAが、初めて"善人のみ"を登場人物に、繊細に描き出したデストピア・スケッチ。」とあったが、観終わってつくづくそうだなぁ、と。みんな基本善人で、特に弟のスタンリーが素直で無邪気で明るく振る舞えば振る舞うほど切なくて。。みのすけさんがどんどん可愛らしく見えてきて、がっつり中年の役なのに少年っぽくて、それがまた一層悲しさを煽った泣き顔

兄のチャズが犯した罪はあまりにも重く、でもその歪んだ愛はずるいけれど、なんだかとても尊くてピュアな気もしてきて、感情ぐらぐら。すごく身勝手でひどいことをしているけれど、その愛は本物じゃないかって。でも、愛は狂気だね。大倉さんの熱演に釘付けハート

犬山さんと松永さんの両女優も相変わらずの素晴らしさと抜群の安定感で、ぐいぐい惹き込まれたぴかぴか(新しい)今回は特に松永さんのとぼけ具合に笑わされて、前半部分でホッとさせてくれた。後半からクライマックスの変貌ぶりもさすがで、存分にその力量を示してくれた。

唯一客演の八嶋さん。TVドラマやバラエティから受けるイメージでは、三枚目でお調子者って感じが強いと思うけど、今回はなかなかの曲者ぶりとちょっと色気もあったりして、俳優さんってすごいなと思った。声も大きく滑舌も良くてめっちゃ通るし、やっぱ舞台俳優だわと感心した。

私が観てきたケラさんの作品の中では、笑いは控えめでだいぶシリアス寄りだけれど、今回もきっちりやられました。SF的な要素もあり、第二の月への移住の話なんかも出てくるが、こんな未来もありうるかもexclamation & questionと思えてきて、じわじわ恐ろしさも湧いてきた。とにかく、大満足な観劇でしたわーい(嬉しい顔)
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する