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2015年12月17日21:26

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「杉原千畝 スギハラチウネ」TOHOシネマズ渋谷

唐沢&小雪のメイン2人が揃ってTV番宣に出ていて、気になっていたこの作品。せっかくの水曜日、なんか観たいなぁということで。内容的に退屈するかもなぁ、なんてちょっと心配していたんだけど。。

1934年、満州。満洲国外交部で働く杉原千畝(唐沢寿明)は、類い希な語学力や調査能力を発揮して、北満鉄道譲渡に関わるソ連との交渉を有利に進めることに大きく貢献した。しかし関東軍との間にトラブルを抱え失意のうちに帰国する。帰国後は外務省で働き、友人の妹・幸子(小雪)と結婚する。やがて在モスクワ日本大使館への赴任が決まるが、北満鉄道譲渡交渉で見せた千畝の働きに警戒感を抱いたソ連から入国を拒否されてしまう。1939年、千畝はリトアニアの在カウナス領事館に赴任する。そんな中、第二次世界大戦が勃発、ナチスの迫害を逃れたユダヤ難民が助けを求めてカウナスの日本領事館に押し寄せてくるのだったが…。

"日本のシンドラー"と称された杉原千畝さんの壮絶な半生を描いた歴史ドラマで、史実に基き実直に作られた印象。伝記ものとしても手堅い作品になっていると思う。ユダヤ難民に独断でビザを発給して多くの命を救った人物だとはさすがの私も知っていたが、非常に優秀な諜報外交官であったという側面を知らなかったので、とても興味深く面白く観ることができたわーい(嬉しい顔)

導入部分では杉原の諜報部員としてのクレバーさや鋭さが描かれる。しかし、諜報活動によって大事な仲間を失ってしまう辛いエピソードも描かれており、単に多くの命を救った英雄としてだけを描いていないところがよかった指でOKそこは日本人ではないチェリン・グラック監督が撮ったということが功を奏したんのではないだろうか。やたら美談にせず、過剰にお涙頂戴にもせず。それでも十分に彼の人となりがわかったし、真面目な作りだけれど、決して飽きさせない。

杉原はその高い調査能力からソ連に"ペルソナ・ノン・グラータ(歓迎されざる人物)"と目を付けられ、希望したモスクワ赴任は叶わなかった。さらに仲間たちを殺されてしまうといった悲劇も経験している。不本意でも苦しい状況下でも最善を尽くし、時には命の危険を冒してまでも日本の為に情報収集に奔走した。そんな彼が政府の許可なく自分の立場も顧みずに、ユダヤ難民へのビザ発給を決断するまでがじっくりと描かれ、見応え十分。さらにその後もあるが、139分の長さにも文句はありませんダッシュ(走り出す様)

彼の行動の裏には、一見あっけらかんと朗らかな妻の内に秘めた強さが大きく影響しているように思える。世界各国を夫に付いて転々としながら、3人の子供を育て上げたのだから、きっと様々な葛藤や苦悩もあったはずで、もっと彼女の内面も描いて欲しかったかな、とそこがちょっと惜しい気がした。

何度か出てくる杉原の母校である満州ハルピン学院の教訓・「自治三訣」。"人のお世話にならぬよう、人のお世話をするよう、そして報いを求めぬよう"なかなか実践するのは難しいけれど、こう生きたいものだと、しみじみ思った。

大掛かりなポーランドロケはスケール感たっぷりだし、8割方外国人(恐らく主にポーランド人)のキャストに混じり、流暢な英語で会話する唐沢さんが素晴らしかったぴかぴか(新しい)元々堪能だったのか、この作品の為にレッスンしたのかはわからないけど、さらりとやってのけるのがさすが。かっこいいよ、かなり見直したexclamation ×2(って偉そうだねあっかんべー)これは今年観るべき映画のひとつと言って間違いないでしょうexclamation ×2
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