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2015年12月17日21:22

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「さようなら」@新宿武蔵野館

マツコロイド(マツコデラックスさんのアンドロイド)で有名な石黒教授が製作したアンドロイドが演者として出演しているこの作品映画元々は平田オリザさんの同名舞台があり、その映画化とのこと。新井浩文、村上虹郎など気になる俳優も出ているのでハート、水曜に新宿まで足を伸ばしてみた〜わーい(嬉しい顔)

放射能に侵された近未来の日本。国民は政府が各国と協議の上策定した避難計画によって海外への移住を余儀なくされる。やがて人々が次々と日本を後にしていく中、元々外国人の難民のため避難優先順位が下位のターニャ(ブライアリー・ロング)には、なかなか順番が回ってこない。幼い頃から病弱の彼女には、生活全般をサポートしてくれるアンドロイドのレオナが付き添っていた。次第に人々が減っていく日本で、レオナとともに静かに日々を送るターニャだったが…。

こんなに寂しくて悲しくて恐ろしい映画は久々かもしれない。原子力発電の爆発により国土の大半が放射能に重度に汚染された近未来の日本が舞台。決して現実になってほしくはないが、こんな事態は起こりえないとは言い切れないので、とても沈鬱な気分になってしまった。日本政府が棄国宣言して、国民は受入を認めた世界各国に次々に脱出していくなんて話、辛すぎるよ泣き顔

そんな状況だから、映し出される風景もどこか殺伐としていて、日本ではないみたい。ターニャが自転車で駆け抜ける竹林やすすきが一面に広がる平野、寒々しい海辺など、どれももの寂しくて終末期の雰囲気がとてもよく表現されていたと思う。

原発問題だけでなく、ターニャの背景が明らかになっていくと、人種差別や難民問題、生死そのものについても考えさせられるテーマを含んでいるので、内容的にお薦めしやすい楽しい映画ではないけれど、私は観てよかったなと。

ひとつの見どころでもあるアンドロイドが演じるレオナ。最初はやっぱりちょっと違和感があったんだけど、だんだんとそれも薄れていって、ターニャを優しく見守り手助けする姿に人間的な温かみを感じて、演者のひとりとして自然に受け入れていったように思う。

徐々に避難が進んでいき、ターニャの周りの人気も一層なくなっていくにつれて、結末は十分に予測できてくるので、胸が苦しくて。目を背けたいけど、見届けなくてはというような気分に。こんな未来が絶対に来ませんようにとただただ願うばかり。
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