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2015年12月04日22:08

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「レインツリーの国」@TOHOシネマズ渋谷

有川浩さんの同名小説本が原作のこの作品。映画化が発表される前に読んじゃっていたので、どうかなぁ〜と思いつつ。。三宅喜重監督は「阪急電車 片道15分の奇跡」、「県庁おもてなし課」と有川作品の実績があるので、手堅いのではexclamation & questionという予感もあり。

食品会社の営業として働く向坂伸行(玉森裕太)は、高校時代に大好きだった本『フェアリーゲーム』がきっかけで、ひとみ(西内まりや)とネットを通じて知り合う。メールのやりとりを重ねるうちに互いに意気投合し、いつしか恋心が芽生えていった伸行は、直接会いたい気持ちが募っていく。しかしひとみも同じ気持ちがありながら、ある理由から伸行の誘いを拒んでしまう。彼女は感音性難聴というハンデのために積極的になれず、伸行に対してもそのことを打ち明ける勇気がなかったのだ。それでも伸行の熱心な誘いのおかげで、ついに会うことを決心するが…。

印象はほぼ原作どおり。むしろ小説は割と薄い本でさらっと読めたので、映像化することで膨らんだ部分もあったのではと思う。パソコンネットで出会った二人が色々ぶつかりながらも互いへの想いを強めていく過程が丁寧に綴られたラブストーリー。

二人とも本をきっかけに出会っただけあり、言葉をとても大事にしていて、その言葉で傷ついたり悩んだり。観ていてもどかしくなり、まんまと感情移入させられる。さすが売れっ子の有川作品だけあって、うまいことできてるなぁ、なんてあっかんべー

伸行が社内合コンでわかりやすいキャピキャピのOL・ミサコ(森カンナ)と知り合う。で、ちょっとアプローチされるも伸行はやっぱりひとみがよくて、恋愛相談する相手に。だけど、ひとみは自分に自信がないし、二人の関係性を知らないから、その存在を不安に思う。ある日、ひとみが会社でひどい目に遭い、どうしても伸行に会いたくて彼の会社に行くと、運悪くミサコと仲よさそうに退社する姿を目撃してしまい、泣いて帰る。みたいなすれ違いもちゃんと用意されていてやきもきさせる。

王道シーンもしっかり押さえつつ、彼らの両親など含め絶妙なキャラクター配置があり、気持ちを動かされるエピソードがちゃんと盛り込まれている。なんか素直に褒めていない感じだな。つまり、ベタだけどその加減がよく、面白いってことよexclamation

主演の玉森くん。最初に予告で観た時はその関西弁にちらりと引っ掛かったが、全編通してみるとほとんど違和感なかったと思う。地元の人はもっと敏感で評価も辛いかもしれないが。。アイドル映画っぽく撮られていなくて、真っ直ぐな好青年役が嫌味なくてよかった指でOK

対するまりやちゃん。難聴のハンデによって、色々なことを諦めたり我慢してきたひとみが伸行との出会いによって、徐々に心を開いて変わっていく姿をうまくみせてくれたと思う。ずっと長い髪で隠してきた補聴器を伸行の提案でバッサリカットした後の晴れやかな表情が印象的で、すごく可愛かったハート

伸行の母(高畑淳子)とひとみの母(麻生祐未)の存在も大きく、さすがの演技で泣かせパートをきっちり担っている。特別出演の片岡愛之助さんがちょっと浮いて見えたが、こういうお医者さん、案外いそうとも思ったりウッシッシ

難聴にも色々あり、音が聞こえない聞きづらいことでどんな不便さや問題があるのかなど、日頃あまり意識していない部分も知ることができた。ひとみが受けた被害はかなりのレアケースな気もするが、障害者への偏見や諸問題も安易に円満に片付けないとこが、シビアだけど逆に誠実さを感じた。
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