毎年、自分の誕生日近くに、社会保険労務士試験の合格発表がある。
今年の試験結果を見て、我輩は思わず笑ってしまった。
厚生労働省の発表を日記下部に掲載するので、ご覧頂ければお判りになると思うが、この試験結果は異常である。
合格率2.6パーセントである。
昨年までは6〜9パーセント前後で推移していたが、今回の合格率は殆ど、嘗ての司法試験並みと云える。
だが、この合格率は、試験の難易度、資格の難易度が反映されているのではなく、ただ制度が歪んでいることと、試験実施側の意図がその背景にあると考える。
社会保険労務士試験の問題点は、所謂「足切り」である。
5問5点満点の穴埋め問題7科目のうち、一科目でも3点未満の科目があると、不合格なのである。
そして、この穴埋め問題が曲者なのだ。
誰も答えられないような難問奇問が、結構な確率で出題されるのである。
あまりにも正答率が低く合格者が殆ど居ない場合には、「救済措置」として正答率の低い科目の合格ラインを2点、1点と下げて対応する。
今回は穴埋め問題7科目中、実に4科目で「救済措置」が適用されており、今年の試験が如何に悪問だったかが伺われる。
そして、この悪問に加えて、試験実施側の意図として、社会保険労務士の数を絞ろうとしているのではないかと考えるのだ。
法科大学院制度によって数が増えた弁護士に待っていたのは、仕事が無いと云う現実であった。
ただでさえ、知名度とその必要性が知られていない社会保険労務士は、弁護士よりも仕事の獲得が難しい。
社会保険労務士の数が増えることに、試験実施側が危惧を抱いているのではないかと思うのである。
余談であるが、合格率2.6パーセントの今回の試験は、偏差値で云うと80だそうだ。
流石にこれには笑ってしまった。
以下、厚生労働省発表の試験結果を掲載しておくので、参考にご覧頂ければと思う。
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第47回社会保険労務士試験の合格者発表
〜 40,712人が受験、合格率は2.6% 〜
厚生労働省では、第47回社会保険労務士試験の合格者を決定しましたので、公表します。今回の試験は、8月23日に全国21都道府県の会場で実施しました。
社会保険労務士は、 労働・社会保険に関する専門家で、労働社会保険諸法令に基づく申請書類などの作成や労務管理、社会保険に関する相談・指導などを行います。
合格者は、労働社会保険諸法令の事務に2年以上従事、または厚生労働大臣が指定した講習を修了後に、全国社会保険労務士会連合会に備える社会保険労務士名簿に登録することで、社会保険労務士※となることができます。
※ 社会保険労務士登録者数は39,898人(平成27年9月30日現在)
【第47回社会保険労務士試験の結果概要】
(1) 受験申込者数 52,612人(前年57,199人、対前年 8.0%減)
うち科目免除者 1,207人(うち公務員特例の免除者 636人)
(2) 受験者数 40,712人(前年 44,546人、対前年 8.6%減)
うち科目免除者 1,022人(うち公務員特例の免除者 534人)
(3) 受験率 77.4%(前年 77.9%)
(4) 合格者数 1,051人(前年 4,156人)
うち科目免除者 58人(うち公務員特例の免除者 40人)
(5) 合格率 2.6%(前年 9.3%)
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