マッハ3

　サイトで見落としていた絶版車試乗会。ナヌ！？と思い受付に行くと
「乗ってみませんか？」否は無い。
「乗ります・・・」

カワサキ　500SS　マッハ3に乗る。
キックが付いている。てえ事は、あの時代のバイクだからセルはあるまい。始動出来る自信が無い。ジェベルのキックですら手こずるのだから。
　ところが意外にもキックは軽く１発始動。前者は2stだからで後者は整備状態が良いからだろう。

　次にギアをローに入れようとするが入らない。
「あれ？あれ？あれ？」
　スタッフが心配して駆け寄るのと、思い出すのが同時だった。昔、雑誌か何かで読んだ事がある。マッハの事だったか！
「あ！そうか！」
「そうです」
　マッハはボトム・ニュートラルの前段かき上げ。これが実に不便だ。いつもの癖でシフトをガチャガチャと押し下げていくとニュートラルになってしまう。停止時にかき上げるのは、やりにくい。
　その上、流石カワサキ、ニュートラルが他の所にも不規則に出現する。

　そんな訳で、試乗中、一時停止後等に何度が手こずり、前走車から引き離される。ワザとではない。
　遅れを取り戻す為にアクセル全開で飛ばしたのはやむを得ない不可抗力だ。だから、マッハ3の鋭い加速力を楽しんだのは偶然だ。手こずっている間、さっさと先を行く前走車を目の端で認めながら
「しめしめ」
とか思ってない。