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2015年09月22日15:38

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「この国の空」@テアトル新宿

本業は脚本家本である荒井晴彦さんの18年振りの監督作だそう。またまた地味な作品だけど、いつも割とふみちゃんの映画を一緒に観ている友達を誘ってるんるん

太平洋戦争末期。杉並の住宅地に母(工藤夕貴)と2人で暮す19歳の里子(二階堂ふみ)。度重なる空襲に怯え、食べものの確保にも苦労する日々が続く。ある日、空襲で家族も自宅も失った横浜の伯母(富田靖子)が転がり込んでくる。ただでさえ苦しい食糧事情の折だけに、母は当惑を隠さない。隣家には、妻子を疎開させた銀行支店長の市毛(長谷川博己)が住んでいた。そんな市毛の身の回りの世話をしていた里子だったが、いつしか彼のことを男として意識するようになり…。

戦後70年ということもあってか、様々な戦争映画が公開されている今夏。そんな中でも異彩を放つこの作品。戦争末期を舞台にした19歳の里子が主人公の物語で、戦争が一人の若い女にどのような影響を与えたかを描いている。こちらの予想に反して、なんだかあっけらかんとシュールなので、笑っていいのか悪いのか、迷っちゃうようなどうにも不思議なテイストの作品だった。

少女と大人の女の狭間、とっても貴重で瑞々しい時期のヒロインを演じたふみちゃん。相変わらずこういう役を振られることが多いけど、十分期待に応えていたと思う。食糧難にしては少々むっちり健康体が眩しすぎたが、そこも若さと爽やかなお色気ということであっかんべー

里子の母を演じた工藤さんがまた艶っぽくていいのよハート旦那を早くに亡くし、娘と二人きりでやってこれたのはいくらかの家賃収入があるお陰で、そこまで逼迫している様子もない。それでも、富田さん演じる自分の姉が命からがら空襲から逃れて頼ってくると、食事のことで揉めたり露骨に迷惑そうにしたりと実にシビア。でも、それぐらいでなければやっていけなかったんだろうし、当時はありがちな事態だったのかも。恋愛を知らない娘を憐れむ気持ちもあって、市毛との関係を強く咎められない複雑な心情もよく伝わってきた。

伯母役の富田さんも絶妙指でOK弱い立場を利用して、結構図々しかったりして、夫も子供も失った悲しみはもちろん大きいはずだけれど、それよりもまずは自分の命が大事で食べるものや住むところの確保に必死。そんな描写がリアルだし、説得力があったのは富田さんの力も大きいと思う。

長谷川さん演じる市毛がズルいんだけど、あ〜こんな男いそうだな、という生々しさが妙にあったなぁ。妻と子供は田舎に疎開させて連絡を取り合いつつ、仕事の都合もあり東京を離れられない自分は隣家の里子に何かと世話になって、ついには一線を越えてしまう。もちろん、里子もその気だったし、お互い求め合ってのことだけれど、どうも釈然としない。だって、戦争が終われば妻子は戻ってくるんだから。

ラストシーン。ふみちゃんのどアップが強烈なインパクト。終戦が確かなものになって、"私の戦争はこれから始まる"はやりきれない。戦争はせずに別の素敵な人に巡り合ってほしいと願わずにはいられなかった。

だから、不倫は両者結婚してないと不公平だよねと常々思っている。リスクとダメージがどちらか一方に偏ってしまうもの。いやいや、ダブル不倫ももちろんよろしくないんだけどさ。って、なんだこの締めexclamation ×2
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