お寺や神社へと続く参道には、いくつもの門や鳥居があります。
お寺に総門、中門、山門を通って本堂へとたどり着く。
神社は一の鳥居、ニの鳥居、三の鳥居があります。
門や鳥居は「結界」と呼ばれ、二つの世界を結んでいるといいます。
この結界をまたぐごとに清らかな世界(浄域)へと近づいていくわけです。
心の中にこのような
『門』をつくり、
またいで、いろんな悩みを克服してはどうでしょうか。
お釈迦様がコーサラ国の首都に入った時、
一人子を失ってその子の死が信じられず遺体を抱いて薬をもとめている母親を見つけました。
「死者につける薬はない」人々は彼女をあざ笑いました。
遺体は死臭をたてはじめていた。
彼女の神経は狂いかけていた。
「私がその薬をつくってあげよう」
お釈迦様は静かに言った。
「芥子(けし)粒をもらってくるだけでいいのだよ」
「しかし、これまで死者を出したことのない家の芥子種でないとだめなんだよ」
母親は家々を訪ねまわりました。
しかし、どの家もどの家も死者を出した家ばかりでした。
死者を出さぬ家はないと分かり、
母親の狂気はおさまりました。
これも、心の門をまたいだからです。
おやすみなさい。
合掌
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