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2015年05月14日21:38

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生きるヒント

 天気予報では「今日は30度を超える地域があります。熱中症にお気を付け下さい」としきりに呼びかけている。が、正午になっても部屋の温度は23度前後で、長袖Tシャツの上に長袖シャツでいっこうに暑くない。どころか、裏庭の落ち葉をかき集めていたら、通り抜ける風が冷たくて、一瞬、タートルネックに着替えたくなったほどだった。
 昼、久しぶりに裏駅エリアにあるラーメン屋・静雨庵に行った。ごくオーソドックスな昭和なラーメンを食べていると、気分は一瞬、高校生だ。休み時間に校門を乗り越えて食べに行った一杯80円の中華そば。校内に食堂があるからなのだろうか、始業時から終業時間まで通常、校門は閉ざされていた。軒並み皇族がたが通われているので警備上の都合、ということなんだろうか? そんなわけない(笑)。
 スーパーと銀行に寄ってから帰宅。
 カレーを作る。タマネギを飴色になるまでとろ火で炒め、次に肉に大量のカレースパイスをまぶしてこれも炒め……、と大瀧詠一のCDを聴きながらのんびり料理をしていたら、窓から仰ぎ見える青空と相まって「脳内リゾート」をしばしの間、満喫。具材を鍋に移したあとは、火加減や味の調整をしながら『「エコ罪びと」の告白 私が買ったモノはどこから来たのか?』のページを次々と開いた。資本主義を問い詰めていく思考に、自身飽き始めている。原発問題や安全法制と憲法改悪など、1億人いれば1億通りの考え方があって、自分はたまたま日本で生まれ育ち、2015年5月14日現在まで日本にいて、丁寧にカレーを作っている、に過ぎないと、他人事に思うようにした。これくらい突き放しておかないと、厭世観がさらに強くなってしまう。
 が、知人のタンゴダンサーから定期的に送られてくるA4判通信を読んで、社会はクソだけど人間っていいものだ、と嬉しくなる。
 彼の母が特別養護老人ホームに入所した。それで母が住んでいた3LDKのマンションを処分することにしたのだが、問題は膨大なモノが残されていること。これまでにも捨てようとたびたび試みたが、片付けようとすると母は「極端に嫌がるので整理が付きません」。古新聞、広告チラシ、衣類、着物、家具に電化製品に食器にと、あまりに物が溢れていて太刀打ち出来ず、専門業者に依頼して一切合財処分してもらったそうだ。
 が、気が付いたら自分ちも同様だった、と。だいたい録り溜めたビデオなんてもう見ないじゃないか。しかしこれまで捨てられなかった。
「物を捨てることは自分の過去を振り返らないという気持ちに通じていると思います」と彼は思いを述べ、捨てることにした、と書いている。
「今の私にとってのダンスは、股関節を手術して人工関節となった時点から再出発しています。それ以前は遠い過去であり、忘れるに越したことはありません」
 要約するとこんな内容だが、彼の母に対する愛情とか、体が軽やかだった若い時代がいまなお忘れられないという苦悩が綴られてあって、失礼を顧みずに言うと微笑ましいのだ。
 彼を真似たいわけではないが、いいヒントをもらった気がする。
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