mixiユーザー(id:12569023)

2015年04月22日09:58

230 view

人生意気に感ず「ヒューストン国際映画祭で最高賞を。天上の楫取と松陰は」

◇宿泊ホテルの地下一階がヒューストン映画祭の会場であった。広い会場には数百人の人々がテーブルを囲んで、その時を待った。何賞かは発表の瞬間まで分からないが入賞のことは知らされていた。広い会場はテーブルを囲む人であふれ、テーブルは隣の部屋にまで広がっている。前方の壇上には黄金の立像が左右に立ち、そこでアトラクションが始まった。私のテーブルには受賞者が並ぶ。隣はイングリッドバーグマンのような美人。何賞なのか気になる。せっかく美女と話すチャンスなのに上の空で会話も表面的だ。紹介が始まり、会場のあちこちで歓声が上がっている。隣のバーグマンが、「キャー」と声をあげて走っていく。いつまで呼ばれないので不安になった。「あとは、審査員特別賞とプラチナ賞だけです」桜井監督が呟いた。監督も緊張している。「ゼロもありますか」私が不安を抑えて開くと「ゼロはないです」監督は唇を噛んで低い声で言った。セレモニーが途切れて時が流れる。すでに2時間が過ぎようとしていた。その時、楽団の行進が始まった。笛の音に合わせて民族衣装の男女が踊った。
 踊りが止み、司会者が再び檀上に立つ。会場にどよめきが起きた。司会者は両手を上げて何か語り出した。耳を傾ける。「カトリ」の声が聞こえた。監督が私の肩を叩き前に進み出た。「バーグマン嬢」が満面の笑みで、「コングラチュレイション」と叫び手を差し出した。彼女の手を握り返して私は壇上に向けて走った。額に入った表彰状には「プラチナ賞」とあった。最高の唯一の賞を得た。遥かな太平洋を越えて来た甲斐があった。選挙の疲れが一挙に吹き飛ぶのを感じた。私は、企画・原作。受賞の監督は桜井顕。楫取の顕彰運動にはずみがつくだろう。日本のサムライの生き方がアメリカ人の心を打ったものと信じる。太平洋を渡ることを夢みて果たせなかった安政の松陰。松陰の形見の短刀をもって渡米しビジネスに成功した新井領一郎。この領一郎を助けた名県令楫取素彦。領一郎の子孫にはあのライシャワー駐日大使夫人のはるさんがいる。これらの熱いドラマが現代のアメリカ人の心を動かしたのだ。太平洋戦争は平和であるべき海を血の海に変えた。私の本に登場する人々は、楫取を中心して21世紀の平和を訴えている。「至誠」とは人間の絆を大切にする言葉、それは平和の礎に外ならないからだ。(読者に感謝)

☆5月6日からは「小説 楫取素彦」を新連載します。



0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2015年04月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930