労働基準監督署からクライアントの事業所に、定期の調査の連絡が入った為、我輩が出頭調査の代理人として出向いた。
定期調査対応の為の準備を万端にして、労働基準監督官に資料を提示、説明をする。
暫く資料の点検を進めた時点で、監督官が云った。
「実は労働者の方から申告がありまして」
定期調査ではなく、申告調査だったのだ。
我輩は、まんまと騙され、罠に嵌ったのである。
定期調査と申告調査では、厳しさが全く異なる。
労働者からの申告による調査は、始めから違反ありきで重箱の隅を突くような指摘をされるのである。
結局、再調査となった。
我輩の完全なる敗北である。
そして、最初の資料提示が敗れた今、この調査における我輩の勝利は無くなり、後は労基署の云うなりなるしかなくなったのだ。
なんとも口惜しいが、最早どうすることも出来ぬのであった。
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