mixiユーザー(id:12290372)

2013年04月21日06:51

24 view

花冷え

久しぶりに「東京観光」をして帰る途中、西武遊園地行に乗り換える為に萩山の駅で降りたら、寒いのなんの。
都心ではほとんど地上を歩かなかったんで、多摩の“寒の戻り”が身にしみます。
立春はとうに過ぎて《余寒》というにはそぐわないし、《花冷え》の桜は終わってます。
さりとて今や道路に盛りと咲いているハナミズキの《花水木冷え》ってのも鼻先ばかり冷たそうで変です。

多摩遊歩道や近所で最近見かける、躑躅(ツツジ)・藤・花海棠(ハナカイドウ)・著莪(シャガ)…
少しネットで調べただけでも、春紫苑、母子草、花蘇芳、雛罌粟(ヒナゲシ)、松葉菊、枸橘(カラタチ)、月桂樹…当たり前ながらすごい多さです。
そういや、「都忘れ」に「カスミソウ」もありましたね。
これほど4月に咲く花が多いのに「冷え」を付けて似合う花の名前って無いような気がします。
固有の花の名前に「冷え」をつけてもダメなのかな?
あ、昔、「リラ冷え」って言葉を聞いた記憶があります。
4月から宿直の仮眠時間が変わって、早いのは21時〜2時、遅いのは2時〜7時の間に寝るなんて体制になったので、夜中の時間がたっぷりになりました。
で3時くらいから「リラ冷え」について色々調べて考えてたら、あっという間に朝になりました。

『春の訪れが遅い北海道では桜にかわってリラの花咲くころ―5月下旬ごろ―思いがけなく寒くなることがあり、これを「リラ冷え」といっています』ですって。
さすがに北海道で、「冷え」の似合う花がちゃんとあるんです。
で、『リラ冷えの「リラ」って何でしょうか?これフランス語なのです実は。フランス語表記では「lilas」になります。日本語に訳すとどうなるか・・・「ライラック」です。ライラックといえば、北海道、特に札幌市民にとってはなじみの深い木ですね。札幌の木ですし、大通りではライラック祭りが毎年5月下旬に開催されています。』

『「リラ冷え」を創ったのは、榛谷(はんがい)美枝子さんという北海道を代表する俳人(江部乙出身)。1960年に詠まれた句の冒頭に使われています。リラの花が咲いた頃肌寒かったことから、「リラ冷え」を生み出したということだそうです。』
なるほどなあ。
俳人ならではの言葉の感覚です、「ライラック冷え」では句になりませんもん。

『これから暑くなろうとしている矢先の一瞬の寒さ。それでもリラの美しさと言葉の美しさに、寒さもこれまた美しいと感じるのでありました。』…
〜「北海道ファンマガジン」

いったい、どんな句なのか知りたくなり、さらに調べてみました。

「リラ冷えや 睡眠剤は まだ効きて」

はあ…
詠まれたのが1960年、ひょっとして安保闘争の「リラ冷え」だったのか…

さらに『これを広めた立役者とも言うべき人は作家の渡辺淳一さん(上砂川出身)。1971年の著書「リラ冷えの街」で一気に広まっていきました。 この小説は、6月のまさにリラの季節、男女の愛を描く物語です。』って一文を読んだら、ある固有の時を持った言葉が大衆化してゆく契機の不思議さを思い出しました。

でも…
榛谷(はんがい)美枝子さんが今年の1月26日に96歳で亡くなったって記事もありました。
明るくなった外に出て深呼吸しました。
激しい、冷たい雨が降ってます。
思いがけない「花冷え」の朝になりました。
Asai(^o^)/

3 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する