mixiユーザー(id:3696995)

2013年03月13日22:47

34 view

エル・グレコ展@東京都美術館

昔からエル・グレコの絵が好きである。
それこそ絵画というものに対してほとんど知識のなかった頃から。
本来はギリシア人であるが、スペインで活動した。
ルネッサンスの時代である。

さて、その「エル・グレコ展」が上野の東京都美術館で開かれている。
混むことを想定していたので平日に休暇を取って行くことは予定通り。しかもこの時期まで待ったのは、同じ上野で「ラファエロ展」が開催されれば、分散されるだろうと考えたため。
その作戦が当たったのかどうかは定かではないが、比較的ゆっくり観ることができた。

あの時期の作品にしてはリアルではない。
頭身を無視したような引き伸ばされ捩れたような肉体。さらに遠近法も無視している。
まるで一種の幻想画のようでもある。
宗教画であるにもかかわらず。
リアルではないが、リアルな存在感がある。
ダイナミックな画面構成と、うねるような迫力。
鮮やかな色彩と、細部にこだわった描写力。
どれをとってもエル・グレコならではである。

女性の表情が美しい。
エル・グレコはこんなに美しく女性を描いたのか、と驚嘆した。
ことに『聖アンナのいる聖家族』(写真中央)、『福音書記者ヨハネのいる無原罪のお宿り』(写真右)のマリアの美しさには溜息が出てしまう。『無原罪のお宿り』についてはもうひとつ最高傑作と呼ばれているものがある。チケットやフライヤー(写真左)に使われている大作がそうなのだが、マリアの表情ということに関しては『福音書記者ヨハネのいる〜』の方が素敵だと思う。

ちなみに、「無原罪のお宿り」は聖母マリアは母アンナの胎内に宿ったときから原罪を免れていた、とするもので、ことにスペインで広まった教義である。聖母をあどけない少女のように描いたムリーリョの作品が知られている。

今日は大きな作品があったので、双眼鏡を持っていったのは正解。
どんなに近づいても上の方は見難くなってしまう。そこで双眼鏡は威力を発揮するのだ。

ところで、たぬ〜が少し前に「ピカソの青の時代の作品がエル・グレコに似ている」と言っていた。
なるほど、確かにそうかもしれない。
ぼ〜っと眺めているようで、たまに鋭いことを言う。いろいろ観ているのもダテではないということか。

油彩画50点ほど、日本では過去最大規模の展覧会とのこと。
おそらくエル・グレコの作品をこれほどまとめて観られる機会はそうそうないだろう。

かなり見応えがあった。

さて、次は西洋美術館の「ラファエロ展」に行かなくては。春休みが終わってからかなあ。行きと帰りに西洋美術館を覗いてみたが、そんなに混雑しているような感じではなかった。
それから近代美術館の「ベーコン展」は絶対に見逃せない。あと六本木の森アーツセンターギャラリーの「ミュシャ展」もある。ミュシャはいささか見尽くした感もあるので、余裕があれば、かな。
5 6

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2013年03月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31