1年ぶりに風邪をひいた。朝、あまりに体が重く、腐敗臭に近い匂いが鼻の奥に漂っている。体力がないのが本当につらい、自信喪失。
朝刊の文化面を読んでいたら、略歴でいがらしみきお(漫画家)が仙台在住であることを知り、彼の寄稿に俄然興味を抱く。
内容は意味がわかったようなわからないような曖昧さが最後まで漂っていた。いがらしは「テレビや新聞で見る限り、誰も神様の話などしていない」「不条理を眼前にしながらも、みんながみんな、まるで信仰のように人を信じている」「私はそんな風には人を信じられない人間である」「私自身、人が作るーー電化製品、服、映画、音楽、小説、そして漫画ーーにさえ魅力を感じなくなっていた」と書いていた。
残念ながらいがらしのエッセイに賛意は覚えなかった。しかし、読み終わったあと、たとえば政治家で信仰を持っているひとはいるだろうか、信仰を哲学と変えて、日頃から哲学している政治家という人物はいるのだろうか、というヒントをもらった。
熱のある頭で1分くらい考えてみたが、いずれの自問に於いても政治家名が浮かんで来ない。せめて昨年大流行したマイケル・サンデルの「公共哲学」くらいは概説書でもいいから目を通しておくのが、21世紀の政治家の必要条件ではないか。夜ごとネゴシエーションに奔走しているような場合じゃないだろう。
民主党も自民党も、震災と原発事故という未曾有の事態になってもなお、パラダイムシフトを図ろうとしない。政権争いと数の論理に終始していて、彼らから信仰(日本の場合は仏教と東洋哲学だろう)や哲学に属する用語を久しく聞いたことがない。こんなに程度の悪い政治家の発言を基に記事を書く朝日新聞の記者も気の毒だ。専門用語をわかりやすく説いて解説記事を書けるだけの教養が(少なくとも記者になった頃は)あっただけに、悔しいことだろう。
体調が悪いと、怒りっぽくなる。
「相模原にリニア駅 JR東海が提案方針」という記事を読んで、頭のなかが沸騰した。路線は相模原から山梨の市川三郷町を通るそうだ。後者は私が敬愛してやまない詩人の地なので、リニアの工事が本本格的に始まったら現場で焼身自殺でもしてやりたい、と一瞬思った。
とにかく早く体調を戻さないと(爆)。
そう思いながらサッカー日本代表vsチェコ戦を見て、さらに体調も精神状態も悪化した。
今日は早く寝たい。
ログインしてコメントを確認・投稿する