今日は新進のチェリスト遠藤真理嬢のインストア・イベントに行ってきた。
川久保賜紀嬢と三浦友理枝嬢とトリオを組むあの遠藤真理嬢である。
NHKの大河ドラマ「龍馬伝」の後のナビゲーション番組「龍馬伝紀行」音楽を担当し、その曲を収録したアルバムのリリースにちなんだイベントだ。(このあたりのいきさつは「龍馬伝」を見ていないのでよくわからない…)
このアルバム、新録音は「龍馬伝紀行」のみで、あとは既出の2枚のアルバムから選ばれているという一種の企画ものである。変則的なベスト盤とも言える。
すでに2枚のアルバムを持っているならわざわざ買うまでもないかもしれない。もちろん、龍馬伝を見ていて彼女のチェロに興味を持った人にとってはうってつけのアルバムということは言えると思う。
もっとも、トラッドやバッハやフォーレといったほかの曲の美旋律と比べてしまうと、『龍馬伝紀行』は曲としての魅力に欠けるのは如何ともしがたい。
シングルとしてリリースした方が良かったのではないかと思うが、余計なお世話か…。
といいつつも、彼女のチェロが聴けるのだから、と行ってみたというわけだ。
『龍馬伝紀行』はチェロ三重奏、つまり多重録音である。それをどう再現するのかという興味もあった。
彼女のチェロは暖かくまろやかな音がする。
私はこのチェリストに期待している。友理枝嬢と組んでいるからという理由だけではなく、かなりの腕を持っていると見ているのだ。先々月に聴いたリサイタルでのショパンとプーランクのソナタなんぞは見事なものだった。
さて、今回は伴奏なしのチェロ独奏だった。
セットリストは以下の通り。
01.アメイジング・グレイス(民謡)
02.サリー・ガーデン(民謡)
03.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番から、プレリュード、サラバンド、ジーグ
04.龍馬伝紀行(チェロ独奏用特別版)
イベントで無伴奏チェロというのはなかなか豪儀だなあという感じ。
『サリー・ガーデン』はアーシーな演奏で、低音がドローンのように鳴り続け、まるでハーディーガーディーのような音色だ。昨年のリサイタルでも聴いたが、アレンジもいいし演奏もいい。
で、『龍馬伝紀行』はチェロ独奏用にアレンジし直されたものの初演だった。もしかしたらカラオケかもしれない、と思っていたので、これはとても印象がいい。やっぱりクラシックでカラオケは興醒めだよね。
ショートバージョンとはいえ、いい曲に聞こえました。
サイン会では「毎度毎度、ありがとうございます」とすっかり馴染みとして認識されているようだ。
「では、次は仙台で」とまるで合言葉のようだな。。。
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