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2010年09月17日22:28

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スティーヴきゅう〜ん

スティーヴ・キューン(Steve Kuhn)というピアニストが好きである。

ジャズのレーベル、ヴィーナス・レコードのカタログがリイシューされたので、スティーヴ・キューンのアルバムをゲットしてきた。
というわけで、最近クラシックの話題が多かったので、久々にジャズの話題でも。。。

1938年NY生まれのピアニスト。70を超えた今でも現役。
以前はECMレーベルからかなり斬新な演奏を録音したりしていて、いつも注目せざるをえない存在だったが、最近はトリオ編成でスタンダードを演奏する集大成と言うべき充実した演奏を聴かせる。

彼の名前を初めて知ったのは、ピート・ラロカの『バスラ』でピアノを弾いていたのを聴いたときだ。ピート・ラロカは大好きなドラマーで、もちろん『バスラ』も大好きなアルバムで、そこでピアノを弾いているスティーヴ・キューンというヤツはなんだか凄いなと思っていた。

入手してきたのは2001年録音の『誘惑』(写真左)と2006年録音の『プレイズ・スタンダード』(写真右)の2枚。前者には1曲オリジナルが入っているが、どちらも耳馴染みのあるスタンダード集と言ってもいい。
相変わらずの正確なタッチとクールなリリシズムに感心させられる。
いいピアノだ。音色も綺麗だし、繊細さと大胆さを併せ持っている。
スタンダードとは言っても、そのメロディーは変容させられている。フェイクと言うよりは、もはやリメイクと言った方がいい。テーマの演奏からすでに即興的要素に溢れている。そのためか、アドリブになっても違和感がなく、ある意味首尾一貫したわかりやすい構成になっている。
もっとも、先に述べたとおり、原曲をかなり変容させているので、元のメロディーを知らないと、厳しいと思われる部分もあるかもしれない。
ただ、即興部分もとてもメロディアスなので、聴いていてわけわからない、ということはないと思う。元のメロディーを知っているに越したことはないが、知らなくても問題ない、というくらいのものだろう。
理知的なアプローチに応えるタイトでシャープなリズム隊も素晴らしい。

モードやフリーを経てスティーヴ・キューンが辿り着いた境地。
それはジャズという音楽の魅力がたくさん詰め込まれたものになっていた。

これから4ヶ月に渡ってヴィーナス・レコードの名盤がリイシューされるらしい(50枚×4=200枚)。結構欲しいものがある。
しかし、このシリーズ、ジャケットも味がある。というか、かなり「せくしぃ」いや「えろてぃっく」なものも多い。レジに持っていくのをためらってしまうようなものも少なくない。スティーヴ・キューンにはクラシックの名曲を素材にした名盤があるのだが、これなんかもろ裸のおねえさんがジャケットだ。
まあ、こうしたジャケットも夜の音楽としてのジャズをうまく表していると言えるのかもしれない。

さらに言うなら、このレーベルは録音がとてもよい。CDなのにアナログ盤を聴いているかのようで、音に質量が感じられる。

スティーヴ・キューン、ハロルド・メイバーン、エディー・ヒギンズ(いずれもピアノ)に、エリック・アレキサンダー(テナー)あたりは揃えたいかな。。。
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