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2009年09月24日22:24

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ハルチャ・ヴェロニカ@JzBrat

今夜は渋谷のJzBratにて、ハンガリーのジャズ・シンガー、ハルチャ・ヴェロニカのライヴ。
自身のバンドを引き連れての来日だ。前回は昨年の5月だったか。
シンガー・ソングライターでもある。何度もしつこいようだが、ハンガリー人なので姓名は日本と同じ順となる。つまり普通に洋風に言えば、ヴェロニカ・ハルチャということになる。

最新アルバム『Red Baggage』ではややコンテンポラリーな傾向が強くなったが、それでも独特の節回しが印象的だった。アメリカや日本のジャズでは聴かれない雰囲気を持っているし、ヨーロピアン・ジャズとも言い切れない個性がある。ハンガリー的と一言で片付けてしまうのは危険だと思うが、バルトークの愛したマジャール民謡とどこかで繋がっているような気がする。それでいて、70年代のシンガー・ソングライターのようなカラーも持っているのだから不思議な人だ。歌詞世界はなかなかビターである。

前回はピアノ・トリオだったが、今回はそれにギターが加わっている。音色のバリエーションは増えたが、端整な演奏だという印象は変わらない。迫力に欠ける感はあるが、そのぶん繊細で抒情的だ。とても好感が持てる演奏だと言える。いずれもメロディックでインテリジェンスを感じさせるプレイヤーだ。
ヴェロニカのヴォーカルも好調。前回よりも表現の振幅が大きくなったという印象。一生懸命歌ってしまう感があるのは微笑ましいとも言えるし、若さゆえかもしれない。しかし、さすがはジャズ・シンガー、アルバムよりもライヴの方が断然いい。歌に説得力がある。ハスキーなようでいてクリアーな高音も持っていて、不思議な声質をしている。
ノリのいい曲で歌う姿は音がなければガールズ・ポップのように見えてしまう。しかし、聴こえてくる音はジャズなのだ。そのあたりのギャップもおもしろい。
スタンダードの解釈にも秀でたものがあり、そちらの方でも十分にステージを構成できるだろう。あとはハンガリー語の曲も聴いてみたいものだ。オリジナルでもいいし、民謡のアレンジでもいいのでは、と思う。
まだまだ可能性を秘めた26歳。世界的にブレークするかもしれない。

ステージを降りると、まだあどけなさの残るチャーミングなお嬢さんだ。特に今回のライヴのフライヤー(写真)は少女のように見える。

ほぼ満席の盛況ぶり。
また来年きっと一回り大きくなった姿を見せてくれることだろう。

「まだ日本ではそんなに知られてなかった頃からライヴを観てるよ」そう言えるようになることを密かに楽しみにしている。

ジャズ・クラブというのは非日常を演出してくれる空間だ。コンサート・ホールともライヴ・ハウスとも異なった独特の雰囲気。食事をしつつ開演を待ち、美味い酒を飲みながら極上の音楽に浸る。たぬ〜はシャーリー・テンプルというノンアルコール・カクテルがお気に入り。
最近は行く頻度が少なくなったが、やはりジャズ・クラブはいい。

最後にヴェロニカ嬢にサインをしてもらい、握手をして、日常の世界に戻る。
楽しいライヴだった。
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