「マリメッコ展」(京都文化博物館)のレヴューつづき。
私は服を売っているのではない。ライフスタイルを売っているのだ。
それはデザインであってファッションではない。私はドレスではなく思想を売っている。
アルミ・ラティア(marimekko 創業者)
フィンランド生まれのマリメッコは、ファッションやインテリアの枠を超え、新しいライフスタイルやコンセプトを提案するデザインハウス。1951年の創業以来、デザイナーのアイデアや思想を重視した製品づくりを行い、毎日の暮らしに彩り、喜び、前向きな心をもたらすことをミッションとするヴィジョンを世界に向けて発信し展開し続けてきた。
◆マリメッコのドレス
代表的なシルエットーマキシドレス、Aライン、ミニドレスに共通するのは締め付け感がなく動きやすく快適だということ。
なかでも代表名詞といえる建築的デザインのマキシドレスは、すとんと落ちるシルエットでドレスをカンバスに見立てるという考えをもっともよく体現している。
流れるようなシルエットのカフタンはこの考え方をさらに発展させプリントそのものが衣服のフォルムとなるように仕上げられている。
「マリミニ」(ミニドレス)は新たな自由を象徴する衣服で1960年代初頭にはジャクリーン・ケネディが着用して雑誌の表紙に登場しほぼ一夜にしてマリメッコの名を世界中に知らしめた。
◆マリメッコと日本人デザイナー
1968年京都出身で弱冠24歳だった脇坂克二はフィンランド人以外で初めてマリメッコのデザイナーとなり遊び心あふれるグラフィックの力とフラットなフォルムといった要素をマリメッコのデザインに取り入れた。
1974年に入社した石本藤雄は32年にわたって在籍し出身地の愛媛の自然からインスピレーションを得たものなど約400点のデザインを手がけマリメッコ史上最も多作なデザイナーのひとりとして知られている。
このドレス 瀬戸内海のしまなみを表現してるみたい。まるで芸術作品!
日本とフィンランドの間にデザインの親和性があるのはどちらの文化にも創造の源泉に自然への畏敬、機能的なシンプルさへの信念そして、美しさは日常生活にこそ存在するという考え方があるからなのだろう。
◆皆川明(ミナベルホネン)との新たなクリエイティブ・ダイアローグ
国境・領域・時を超えて
マリメッコとは異なる文化や視覚的要素を持ちながらもそのものづくりの精神においてマリメッコとのつながりを持つデザイナー皆川明とのコラボコーナー
日本の浴衣柄を連想させる。マリメッコの図柄と、ミナペルホネンの図柄、それぞれのファブリックが同じユニットになって鎖状に繋がれ、ひとつのインスタレーションになっている。違和感はない。国境や時空を超えた絆を表現している。
会場では、アートユニット・plaplaxによって、ヘルシンキにあるマリメッコ社の「スクリーンプリント・ファクトリー」を映像とプロジェクションにより再現されている。手仕事のぬくもりと映像表現が融合する空間で、創造のプロセスを体感できる。
◆風景〜シルッキクイッカ(カンムリカイツブリ:鳥)マイヤ・イソラ
光、天気、そして季節の移り変わりによって形作られる広大な自然の景色から着想を得たカテゴリー。静けさ・解放感・タイムレスな永遠性があると同時に風景を特定の場所として認識させるのではなく感覚として体験させる繊細な力が宿る。
◆マリメッコのデザイン 6つのカテゴリー
マリメッコはプリントのアーカイブに納められた貴重なデザインをより深く理解し体系化することを目的に、6つの普遍的なテーマ「建築」「風景」「植物」「花柄」「ストーリーテリング」「装飾」に分類している。
この分類はプリントの様式を機械的に分けるというよりも主に内部のコミュニケーションツールとして使われているものだ。
本展では、それぞれのテーマにマリメッコが抱くイメージを特別に共有している。
ドレスからファブリック、バッグや雑貨小物、食器キッチンウエアまで統一したデザインで過ごしたい、という願望は昔から皆持っている。でも生地(テキスタイル)から作りここまで本格的にライフデザインを展開したブランドは100年前にはなかっただろう(英国のタータンチェック、リバティープリントなどは昔から人気だったが)。
マリメッコがパイオニアとなって牽引してきたこの分野は、いまや莫大な市場になっている。
自分が子供の頃気に入って着ていた母の手作り服もマリメッコ風の生地だった。
余り布でお揃いのリボンやタイを作ってもらったりしたし、家には服と同じ生地で作った座布団カバーやテーブルセンターもあった。 ← 綿100%のしっかりした生地やったなぁ。ワンピースにするにはごつ過ぎるが(笑)
ついでに今思うと、昭和のホーローの鍋やエアーポットの花柄もなんとなくマリメッコ風だったし、麦茶を飲むグラスもマリメッコ風の花柄だった。つまりこれだけパクられるマリメッコデザインの素晴らしさと普遍性というものに改めて感心した。
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