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2026年01月05日22:01

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日本書紀第4巻出ました

出ました、というより「出てます」なんですが。
全8巻、年に2冊ずつ出版してゆく『日本書紀 全現代語訳+解説』シリーズの第4巻が、11月末に出版されました。
 (↓とある書店にて)
フォト


第1巻が、イザナキ・イザナミ、アマテラスにスサノヲの神話、
第2巻が、初代天皇神武とヤタガラスから、相撲やハニワの起源など面白エピソードが続く垂仁天皇まで、
第3巻は、ご存じヤマトタケルに、その息子の嫁さんである傑女神功皇后の時代、
そして最新第4巻は、巨大前方後円墳で有名な仁徳天皇から、古事記後半の主役にして毀誉褒貶すさまじいワカタケル大王こと雄略天皇を扱っている。

これでシリーズの半分が終わり、めでたく折り返すところだが、第5巻のもとになる講義録の整理原稿はすでにわたくしの手から離れ、今、著者の寺田惠子先生が一生懸命執筆を進めているところ。
私は第6巻の整理に手を付けたものの、最終巻となる天武天皇の講義テープの文字起こしが完成していないので、年内はそれにかかりきりで、第6巻って誰が出てくるんだっけ?みたいなちょっとポカンとした状況に陥っていたりする。

さて此度出たばかりの第4巻は、ほぼ仁徳天皇とその子や孫、いわば仁徳王朝期といってもいい時代のお話なのだが、この巻、出てくる人出てくる人、ほぼ全員血がつながっているのであーる。
ナントカノ皇子、カントカノ皇女(ひめみこ)が、反乱を起こしたり、殺されたり、結婚したり、奪ったり奪われたり、横恋慕したり、嫉妬に苦しんだりしていて、彼らはどういうつながりだっけ?と系図を見ると、ややっ、異母弟とか同母妹とか、つまりみんなナントカ天皇の子たちじゃないの!
そう、あの時代、生みの母が違えば、同じ父親を持つ異母兄妹での結婚は普通だったのだ。
(同母兄妹の恋愛は厳禁だけど。)
『光る君へ』の登場人物のほとんどが藤原氏だったのに近い割合で、みんな皇族!
みんな親戚、っていうか、家族!

なので編集作業の中でわたくしは、第4巻のほとんどの登場人物をすべて一枚におとしこんだ系図を作ってみたのだが、その時にはすべて台割り(本の中のページの配置)が安定して、もはや全体を動かすのは無理という段階にきており、もともとできあがっていたちょっと簡易な系図にチョイ足しするくらいで納得せざるを得なかった。
無念だがしょうがない。
この系図だって、充分役に立つのだから。


この第4巻のかなりな部分を占めるのが、女性をめぐるエピソードだ。
仁徳天皇の皇后、豪族出身の磐之媛(いわのひめ)が、夫が皇族である八田皇女(やたのひめみこ)を入内させようとする際の「いいぢゃないか」「絶対ダメ」「じゃあこうしよう」「議論の余地なし!」みたいな懐柔と拒絶のやり取りを歌の往復で表現するところなんか、なかなかな文学になっている。
このエピソードは古事記でも触れられているが、日本書紀とは落としどころが違っていて面白い。
面白いが、皇后の立場を考えると、そう笑ってもいられない事態だということがわかるのだが。
今や嫉妬深いというレッテルを貼られてしまっている皇后磐之媛だが、そんなことさせるもんですかキーッ!といきり立っている安手のドラマ風に解釈していては、気がつくところにも気がつかないんですよということが、著者の解説を読んでいるとすごーく納得できるのだ。

女性をめぐるエピソードは、多分この巻の中だけでも10以上、いや20を超えるかもしれないくらい多いのだが、わたくしの大好きな雄略天皇のエピソードから一つだけ拾っておこう。
ある日雄略天皇が、臣下と宮中を歩いていると、そこに小さな女の子が遊んでいた。
天皇が、皆の者があの子が俺に似ていると言うんだ。なんでかな?と臣下にこぼすと、臣下は、いや陛下に似てますよ実際、という。
でもあれの母親とは一晩しか同衾してないんだから、子ができるはずがないんだけどな、と言うので、臣下が試しに、ところでその晩何度お召しになったんです?と聞くと、ウーン、7回かな、と答える。
7回!
そりゃ孕むでしょうよ。だって、孕みやすい女は男の服に触っただけでも孕むって言うじゃないですか!と返し、それを聴いた天皇は、そうなのか?じゃあ、と言ってその子を正式に認知しました、というお話。

なんかこの男たち、さっきから間違ったことばかり言ってるわけだが、めでたく認知されたその少女は、成長してから仁賢天皇の皇后となって再び登場、彼女の産んだ子は、その後皇統に決定的な役割を果たすことになるのだ。
このお話は、今度の第5巻に詳しく語られるのでお楽しみに。

というわけで、寺田恵子著『日本書紀 全現代語訳+解説』、グッドブックスより好評発売中!
(お近くの図書館にリクエスト出していただけるとなお嬉しい!)
https://good-books.co.jp/books/4146/



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