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2026年06月21日11:02

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みんな妖精好き

 今日は妖精の日と云われています。
 ヨーロッパでは夏至の日に妖精が集まるという言い伝えがあり、それにちなんでのことのようですが、その夏至の日は、日本では2020年〜2055年は6月21日とされているのです。
 妖精というと、「ピーターパン」に出てくるティンカーベルのイメージ(ディズニーのイメージ)が一般的には、最もピンとくるイメージかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=WpSa3Ef-xDw

 妖精というのは、神話や伝説に登場する超自然的な存在らしいのですが、どうも分かったような分からないような不思議な存在です。そのルーツを探ると、特にキリスト教との関係で、日本の神仏習合にも似た複雑な歴史があるようです。
 西洋のキリスト教化のプロセスにおいては、古い土着信仰の神々や精霊を排除、弾圧しようとした歴史がありました。でも、古い土着信仰というものは昔から深く人々の心に根ざしているので、そんなに簡単に排除できるものではありません。にもかかわらずこれを強引に一方的、徹底的に排除・弾圧したのでは、かえって反発をかい、布教は絶望的になります。
 そこで、時代や場所により、程度や状況に違いはあったものの、大まかに言えば、キリスト教は古い土着信仰の神々や精霊を「唯一神を認めない邪悪な存在」とはするものの、徹底的な悪者扱いはしませんでした。むしろ、一種の堕天使で時に不気味、いたずら好きではあるけれど、根はいいヤツみたいな、神でも悪魔でもない中立的な存在としてお伽話の世界に取り込んでいった(例えばhttps://hugkum.sho.jp/473028)ようです。というか、古い土着信仰の神々や精霊が宗教に口出ししない中立的な存在である限り、ある程度自由に任せるような所さえあったようで、イギリスやアイルランドのケルト妖精伝説などが今日まで残っているのもそのためと考えられます。
 そんなふうに考えていたら、今回も山田五郎さんが、ヴィクトリア期のイギリスの妖精絵画について、非常に興味深いことを述べておられました。
https://www.youtube.com/watch?v=0TBNy39jZL4

参考 クイーン/フェアリー・フェラーの神技:https://www.youtube.com/watch?v=dyORXTQpNJY

 イギリスやアイルランドの妖精を岩手の河童や座敷童子と相通じるたものがあるとされていたのは、なるほど慧眼といえるでしょう。
 そう云えば、文学の世界でも、シェイクスピアの『真夏の夜の夢』はいたずら好きな妖精の出てくる作品でした。
https://www.youtube.com/watch?v=4X7RV-e87LA

 この戯曲にはメンデルスゾーンが劇付随音楽を作曲しています。
序曲:https://www.youtube.com/watch?v=XQvbhuinbEQ

 クラシック音楽の淵源の多くはキリスト教の教会音楽にあるらしいので、オルガニスト等の形で教会音楽に比較的近い所にいたヴィヴァルディやバッハのような作曲家は妖精に関する曲は作らなかった(作れなかった)ようですが、それでも、古い土着信仰の神々や精霊が強く根付いていたイギリスでは、同時代にヘンリー・パーセルが、セミ・オペラ『妖精の女王』を作曲しています。
https://www.youtube.com/watch?v=ybTvPujDn_s

 また、ウェーバーの歌劇『オベロン』も、元々は、ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスの支配人チャールズ・ケンブルが、同地で上演するためにウェーバーに作曲を委嘱したものでした(オベロンというのは、妖精の王の名前です。ちなみに、近年「女神転生」シリーズ等のゲームでその名が知られるようになってきたティターニアはその妻です)。
序曲:https://www.youtube.com/watch?v=uv_pA-X3uFY

 もっと後年、近世、近代に至ると、キリスト教の縛りがますます緩くなったのか、イギリス以外の国々のクラシック音楽の作曲家も以下のように妖精関係の作品を作曲するようになりますが、どちらかというと、キリスト教支配の強いドイツ、イタリアといった国以外の作曲家の手になるものが多いようです。
・フォーレ/『歌を教える妖精』:https://www.youtube.com/watch?v=S54eDbtyQ7w

・グリーグ / 抒情小曲集 第7集より op.62-1『風の精』:https://www.youtube.com/watch?v=mp6hJGSLr8c

・ドヴォルザーク/歌劇『ルサルカ』(序曲):https://www.youtube.com/watch?v=W6OB2bfmEa8

・ラヴェル/『マ・メール・ロワ』より「妖精の園」:https://www.youtube.com/watch?v=QNKthGWZE70

・プッチーニ歌劇/『妖精ヴィッリ』:https://www.youtube.com/watch?v=5JFT1-a-zi8

・シベリウス/劇不随音楽『森の精』より木の妖精:https://www.youtube.com/watch?v=RxjsqU9Pgrw

・ストラヴィンスキー/バレエ「妖精の口づけ」:https://www.youtube.com/watch?v=jAk_4cOy8hA

 日本でも、河童や座敷童子が登場する民話、昔ばなしは多く、民謡等で歌われているようです。
・日本舞踊『河太郎』:https://www.youtube.com/watch?v=-xQ9Alsdixk

・河童音頭(我孫子):https://www.youtube.com/watch?v=HcrQECgjHxw

・座敷わらしの子守歌:https://www.youtube.com/watch?v=wza4lzjcaOE

・座敷童子の唄:https://www.youtube.com/watch?v=4hdQkGVKPJY

 結局、どこの国の人も、妖精は好きということでしょうか。

P.S. 「奥さまは魔女」に出てくるアグネス・ムーアヘッド演じるエンドラは、もしかしたら、魔女というより妖精と言えるのかもしれません。
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