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2026年10月17日00:48

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ショパンの影響力 

 作曲家のシューマンは自作のピアノ曲集『謝肉祭』において、「ショパン」というタイトルの小品を作曲しています。
https://www.youtube.com/watch?v=3RAvBGR2kic

 このとき、フレデリック・ショパンはなんと存命中で、まだ元気でピンピンしてました。 
 存命中から、自分の名前そのものの作品を作曲された作曲家というのは他にないのではないでしょうか。

 ショパンに関しては、他にもクラシックの名だたる作曲家たちが次のような作品を遺しています。
• ピョートル・チャイコフスキー:『18の小品』より 第15曲「(少し)ショパン風に」
https://www.youtube.com/watch?v=-4ctqVhsXK4

 これは、ショパンのマズルカを思わせる独特なリズムや、ロシア風の哀愁を融合させてショパンへのオマージュを捧げたピアノ曲です。


• エドヴァルド・グリーグ:『7つのピアノ小品』より 第5曲「練習曲〜ショパンへのオマージュ〜」
https://www.youtube.com/watch?v=UBtBUhnP4vM

 作曲者のグリーグは、“北欧のショパン”の異名を持つだけに、ショパンの『エチュード』が持つ情熱的な技巧と詩情を意識してこの曲を作曲したと云われています。


• フェルッチョ・ブゾーニ:『ショパンの前奏曲ハ短調による10の変奏曲』
https://www.youtube.com/watch?v=vhs5Jk71uWE

 これは、ショパンの有名な『24の前奏曲』 第20番 ハ短調の重厚なテーマ(主題)を基に、ブゾーニが圧倒的なピアノ技巧で展開していく変奏曲です。


・ラフマニノフ:『ショパンの主題による変奏曲』
https://www.youtube.com/watch?v=ZYVNm6-h4Sk

 『24の前奏曲』第20番 ハ短調をモチーフにしたピアノ独奏のための変奏曲です。
 ちなみにラフマニノフはメンタルがやられていた頃、「自分はショパンの何倍もの音符を使っているのにショパンの表現し得たことの何十分の一も表現できていない」と述べています。


・モンポウ:『ショパンの主題による変奏曲』
https://www.youtube.com/watch?v=0jwMn498QIg

 ショパンの『24の前奏曲』第7番 イ長調(日本では太田胃散のCM曲としてもお馴染み)をモチーフにして、モンポウらしい、静けさと透明感に満ちた独特な響きでショパンのメロディが形を変えて紡がれます。切なくも幻想的なエピローグが印象的な傑作です。


• エクトル・ヴィラ=ロボス:『ショパンへの賛歌』
https://www.youtube.com/watch?v=1hUKg1TDp2U

 これは、ブラジルを代表する作曲家ヴィラ=ロボスが、ショパン没後100年(1949年)を記念してパリ市の委嘱で作曲した、マズルカのステップを取り入れた作品です。


 なお、日本人ピアニストも頑張ってます。
• 辻井伸行:『ショパンへのオマージュ』
https://www.youtube.com/watch?v=Q7RdiOgH0UA

• 清塚信也:『ショパンへの3つのオマージュ』
https://www.youtube.com/watch?v=IToRnorz7DE


 まぁ、ショパン以外の作曲家の場合も、オマージュ作品を含めれば、クラシックの世界では他の作曲家によって描かれることはあるのですが、ショパンのすごいところは、こういった作品が多いだけでなく、クラシックの枠を超えて、ポピュラー音楽の世界でも、その旋律が使われたり、タイトルに「ショパン」の名が出てきたりする頻度が、他のクラシックの作曲家に比べて圧倒的に多いところです。
 例えば下記のような作品があります。
・『I Like Chopin』/ガゼボ
https://www.youtube.com/watch?v=S485kTzaV-c

 1983年にイタリアの歌手ガゼボが発表し、ヨーロッパ中で大ヒットしたイタロ・ディスコ/ポップスです。哀愁漂うシンセサイザーの旋律に乗せて「ショパンの音楽(世界観)が好きだ」と歌っています。


・Could It Be Magic/ バリー・マニロウ
https://www.youtube.com/watch?v=UBpGSmxcUqI

 『24の前奏曲』第20番 ハ短調の主題を取り入れて、バリー・マニロウが1973年に発表したバラードです。後にドナ・サマーらがカバーしています。


・I'm Always Chasing Rainbows/ ジュディ・ガーランド
https://www.youtube.com/watch?v=6CMSjI-Znc4

 1917年に作られたアメリカのポピュラー・ソングのスタンダードナンバー。ショパンの『幻想即興曲』の中間部にある甘美な旋律に歌詞がつけられています。


・Jane B./ ジェーン・バーキン
https://www.youtube.com/watch?v=Xpvpr7T_5VQ

 セルジュ・ゲンスブールがプロデュースし、ジェーン・バーキンが1969年に歌ったフレンチ・ポップスの名曲。ショパンの『24の前奏曲』 ホ短調の物憂げな旋律にアンニュイなボーカルが見事に融合しています。


・Lemon Incest/ セルジュ・ゲンスブール&シャルロット・ゲンスブール
https://www.youtube.com/watch?v=OzYnJO6RAnA

 セルジュが娘のシャルロットをボーカルに迎え、1984年に発表したシンセ・ポップ。日本でも馴染み深い『練習曲集』の「別れの曲」の美しいメロディを大胆にサンプリングしています。


・Till the End of Time/ ペリー・コモ
https://www.youtube.com/watch?v=xSJ-oT2ZBa0

 1945年にリリースされ、ビルボードで1位を獲得した大ヒットポップス。力強い「英雄ポロネーズ」の旋律を、甘くロマンティックなヴォーカル・バラードへとアレンジしています。

 日本のポップスも例外ではありません。
 上述のガゼボの『I Like Chopin』は、松任谷由実が日本語歌詞を手掛けて小林麻美のカバー曲『雨音はショパンの調べ』(1984年)として大ヒットを記録しました。
https://www.youtube.com/watch?v=xk59pMSpDXw



・『ノクターン』/平原綾香
https://www.youtube.com/watch?v=S1mZTi89obk

 ここでモチーフになっているのは『夜想曲』第20番(遺作)です。


・『夜半の月(よわのつき)〜幻想即興曲より〜』/EHAMIC
https://www.youtube.com/watch?v=HEixtfdaQYM



・英雄〜笑って!ショパン先輩〜/BEYOOOOONDS
https://www.youtube.com/watch?v=FY6BeQWx_v8

 『英雄ポロネーズ』と『ノクターン』の旋律を大胆にマッシュアップ(合体)させています。


・海とショパンとバーボンと/小坂明子
https://www.youtube.com/watch?v=H_-ZKLUoEyI



・ショパンの嘘つき/乃木坂46
https://www.youtube.com/watch?v=P5dNBeRsYvg

 おそらく探せば他にもあると思われます。


 ショパンはリストと自分を比べて、次のように言ったと云われています。

彼は何千人もの人に聴かせるように弾くが、私はただ一人の人に聴かせるために弾く※

 この言葉を遺したショパンがこれだけ広く多くの人々に影響を及ぼし今も親しまれているのは、ある意味、逆説的ですが、素敵なことだと思います。

 今日はショパンの177回目の命日です。


※ この言葉は現在公開中の映画『キリコのタクト〜YELL〜』にも出てきます。
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