2月。スぺインの巨匠ヴィクトール・エリセ監督の名作を2本つづけて観る。
いわゆるamazonプライムやU-Nextでは見れなくて、ミニシアターで何度か上映されコアなファンが多いようだが、私は全く初見だった。
「ミツバチのささやき」(1973)
ビクトル・エリセ監督の長編第1作。1973年の映画だが日本で初公開されたのは1985年だそうだ。
1940年頃、スぺイン内戦後の小さな村で養蜂を営む家族と暮らす少女アナは、村の公民館で上映された映画「フランケンシュタイン」を見る。一緒に見た姉のイサベルから、映画の怪物は精霊で、村外れの廃屋に隠れていると教えられ、通うようになる。ある日、アナは廃屋で一人の傷ついた兵士と出会うが…。現実と空想が交錯する少女の世界を美しい映像で描いたエリセ監督の演出が絶賛された傑作中の傑作。
子役のアナが可愛いすぎる。
説明要素が少なくセリフも少ない。それゆえ映像の力を感じる。スペイン内戦を経た荒涼とした大地と、屋敷のハチの巣模様の窓ガラスがとても象徴的だった。
「エル・スール」(1983)
ビクトル・エリセ監督長編第2作。1957年のある朝、15歳の少女エストレーリャは、慕っていた父が永遠に戻らないことを悟る。穏やかだったが寡黙でどこか近寄りがたかった父との思い出を回想するうちに、内戦で人生が変わってしまった父の苦悩が浮かび上がる…。父アウグスティンを演じるのはイタリアの名優オメロ・アントヌッティ。詩情あふれる繊細な映像美と演出で世界中を魅了した傑作ヒューマンドラマ。
内戦後のスペイン北部。幼な心に大好きな父の秘密を垣間みてしまった少女エストレーリャ。真相はわからぬまま思春期へ。映画は彼女の回想(語り)で展開される。
「ミツバチのささやき」同様に子役の少女が素晴らしかったし、映像から、ゴヤの絵画やロルカの詩を思い浮かべた。
映像が限りなくバロック・・・特殊能力のある父に振り子の秘儀を教わる場面は、ジョルジュ・ラトゥールのキアロスクーロ絵画みたいだった。
赤の使い方、最高。毛糸玉、ベッドの下に隠れる時敷いていたクッション、父と最後に入ったカフェの一輪挿しの薔薇。
そしてラストシーンがまたいい。エストレーリャは憧れの地エル・スール(南)へ。父の足跡を辿って・・
エリセ監督は寡作で有名らしく、10年に1本とかそんなペースで、この2月に公開された「瞳を閉じて」は、30年ぶり?の新作(遺作?)になるのだとか。40年前「ミツバチのささやき」で名演技をみせたアナ・トレントが主演していることで話題。
2月。東京の長男のところに2人目の子が誕生。ケイトという名前にしたそうだ。
子どもの目は美しいな。
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