年明けに京都で開催され盛況だった伊藤若冲展。行けなくて残念だったがその後2月に大阪でやる(なんば高島屋グランドホール)との情報を得て楽しみにしていた。若冲画の「鼠婚礼図」がプリントされたオリジナルマスクケースつきの前売り券を購入していた。
コロナウイルス感染予防対策で、イベント、コンサート、娯楽施設、美術館までも臨時休業になるところがふえてるので心配していが、ここはまだ大丈夫だった。おかげですいていてじっくり鑑賞できた。
細見美術館のコレクションが多いが、相国寺、慈照寺、鹿苑寺、大光明寺、宝蔵寺、萬福寺、天真院など若冲ゆかりの寺のものは初見も多かった。
展覧会冒頭は「風竹図」(細見美術館)
1731年徳川吉宗の招へいにより来日した清の宮廷画家・沈 南蘋(しん なんびん)は長崎に2年間弱滞在し写生的な花鳥画の技法を伝えた。弟子の熊代熊斐らが南蘋派を形成。円山応挙ら江戸中期の画家に多大な影響を及ぼした。これは南蘋派の鶴亭に影響された絵といわれる。大胆で勢いのある筆さばき。
「鼠婚礼図」(細見美術館)
今年は子年なのでとてもめでたい絵だし、鼠が人間さながらにお酒をついだり、酔っ払っておどけたりするさまがなんとも愛らしい。
「菊花図押絵貼屏風」
さまざまな技法で菊を描く 込み入ったものからシンプルな丸型まで。
「鶏図押絵貼屏風」 (細見美術館)
正面から、後ろ向きから、座図まで鶏の百態。
「厖児戯箒図」(ぼうじぎほうず)(鹿苑寺)かわいい子犬がほうきで遊んでいる
「子犬に箒図」(細見美術館)
「布袋渡河図」(大光明寺)袋から尻と足が出て水につかっている図でユーモラス
「芦花翡翠図」(大光明寺)
「松亀図」(大光明寺) 筋目描きの亀甲の表現がすばらしい。
「雪中雄鶏図」(細見美術館)
鮮やかで細密に描かれた雄鶏とねっとりした雪の表現は動植綵絵のあの1枚を彷彿とさせる。
「牡丹百合図」(慈照寺)
展示物のなかでひときわ目立つ素晴らしい色彩と細密な花鳥画はこれ。 初めてみた。
「玉熨斗図」(鹿苑寺)寺の床の間に飾るのか正月飾だけを描いた迫力のある単純で大胆な墨絵
中盤、とてもおしゃれでモダンだと思ったのが、若冲が下絵を描いた花鳥版画で、これは平木浮世絵財団所蔵のものらしい。

「鸚鵡図」「椿に白頭翁図」
「薔薇に鸚哥図」
若冲は花鳥、亀、鯉、昆虫までも細密にそしてユーモラスに描くが、今回も素晴らしい作品がたくさんあった。
「糸瓜群虫図」(細見美術館)
何度見ても傑作。葉っぱの虫食い、枯れて色あせた部分、ちいさな昆虫やかえるなども詳細に描いている。
「海老図」(細見美術館) 海産物を描かせてもうまい
「鳳凰の図」(相国寺) 切れ長の目、首のもこもこ、長い尾。
「鯛図」 釣り人につられた鯛のどこかうれしそうなユーモラスな表情。
「竹虎図」(鹿苑寺)と「芭蕉図」(大光明寺)が並んで展示してあって、所有している寺は違うのだが、この絵は対になっているらしく、虎の背後に風になびいている竹と、芭蕉の葉の揺れる方向が一致連動している。こういうのも企画展でなければ同時展示できないだろう。
後半は、若冲派と呼ばれる弟子たちの作品。若演、処冲、意冲、環冲、若拙 若啓など。
若冲の「鶏図押絵貼屏風」に倣っての大作「遊鶏図押絵貼屏風」(若演)など、なかなかのものもあったが、一筆描きのダイナミックさ、筋目描きのテクニックはもとより、動植物の線がかたくて遠く師匠に及ばない作品ばかりだった。
処冲「蟹図」
伊藤白歳「南瓜雄鶏図」(宝蔵寺)
伊藤白歳というのは若冲の弟らしい。
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