かつての全生園同行者にあてたもの

　　コロナ。その肺炎にかかると窒息状態になるし、感染力はインフルエンザ以上。暖かくなっても死滅しないそうだから、非常に恐ろしいウィルスである。僕も恐いと思うし、ヘルパーさんたちも恐れている。当然だ。でも、大きく言えば、その為、世界中の人たちが心が内向きになっている。内向きになれば各自の心をまず見つめ、ついで、互いの心もよく見つめる・察する事が出来るようになるから、意志疎通が非常にうまくいく。コロナの件について、今までは様子を見ていた僕だが、次第に会話でも述べるようになり、その結果、まずヘルパーさんとのやり取りが良好になるなど、思わぬ収穫も得られている。　　　コロナを通して、かつての全生園行きの事も思い出される。はっきり言って、出会った元患者さん含め、誰も戦前にあったようなハンセン氏病差別は知らないんだよね。その件は感染の実感をしらなければ判らないが、もし、感染の実感を持っていたら、我々は全生園なる所には恐ろしくて行けないだろう。今、コロナ患者の所に行けないように。また、全生園の人達も「うつしてはいけない」と思い、面会を拒否するのではないか。全生園に行って、心見つめられたり、気持ちを察するようになった人もいないわけだし。今回のコロナから、全生園経験も大した事はなかった事もよく判る。全生園で僕も死の影におびえなかった。島田もそうだった。ＶＹＳの人たちが一番多く行った盲学校もそうである。コロナを下敷きにすると、皆大した事がなかった事がよく判る。今回のコロナは徹底的に今の社会構造を変えるぞ。学校や福祉関係は勿論、政治、資本主義でさえも。資本主義は本当に今年で終末だと。コロナ・ウィルスには必ずワクチンとかができ、人類は勝つ。でも、去年までの社会には戻らないだろう。クルーズ船はコロナの印象で誰も乗りたくないだろうし、ディズニーみたいなものもつまらないと誰もが思うのではないか。時代の大変化だよ。